2020 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症に潜む橋本脳症の臨床画像的特徴と背景遺伝子多型の探求
Project/Area Number |
20K07923
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
米田 誠 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (70270551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅嗣 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (60155166)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 橋本脳症 / 統合失調症 / 抗NAE抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景と当初計画:「橋本脳症」は、慢性甲状腺炎に伴う自己免疫性精神神経疾患で、免疫治療が奏効する。橋本脳症の中には幻覚・妄想を呈する患者も多く、統合失調症の中に橋本脳症が潜在する可能性がある。 本研究では、①抗NAE抗体を用いて統合失調症と診断されている患者から橋本脳症を抽出し、②その臨床的特徴(臨床情報・症候、脳画像MRI、脳還流SPECT)と背景遺伝子多型(免疫関連)を明らかにし、最終的に③診断指針を作成する。
本年度の実績:本研究室に全国から抗NAE抗体の解析依頼があった957例(2016年4月~2018年3月)中で、主に精神神経領域からの依頼で、抗甲状腺抗体陽性で亜急性から慢性発症の統合失調症様症状(幻覚・せん妄など)を呈した症例を抽出し、予備的に解析した。その結果、13例が抽出され、抗NAE抗体陽性例も4例認められた。いずれも甲状腺機能は正常か軽度の低下にとどまった。認知機能低下が一部にみられた以外に、他の神経症状も認めなかった。さらに、一部の症例ではステロイドの効果も認められた。 以上から、統合失調症と診断されている中にも、ステロイドの効果がある潜在性橋本脳症が存在することが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のため、新規の対象患者のリクルートができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、研究協力施設の協力を得て、患者のリクルートと解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため、予定した研究が進まなかった。未使用額は消耗品、研究補助者給与等に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)