2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of of Alzheimer's auxiliary diagnosis by measuring pupillary response of melanopsin receptor
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20K07932
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Research Institution | Osaka Kawasaki Rehabilitation University |
Principal Investigator |
小枩 武陛 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 准教授 (70441152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (00179649)
中松 貴子 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (50517026)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / メラノプシン受容体 / アルツハイマー病 / 瞳孔反応曲線 / 補助的診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アルツハイマー型認知症の病態を反映する客観的な診断パラメーターを見出し、早期診断を可能とするために、メラノプシン受容体を介した瞳孔反射計測法開発して、①認知症の補助的早期診断方法の確立 ②早期診断方法に必要な環境条件について科学的に検証することである。 メラノプシン受容体を介した瞳孔反射を計測する装置ヒトミルを試作し、実際の臨床バロンを想定してその有用性を検討した。当初のヒトミル装置では、被験者の眼球形状によって瞳孔径にバラツキとエラーが生じ、正確な反応曲線を取得することができず、しばしば不適格な計測値となっていた。瞳孔計測装置ヒトミルによる計測の適格性を拡大すると共に、被検者によるばらつきを減少するための改良を行った。縮瞳を起させるための発光を赤色光と青色光とを、同一被験者に連続して用いて瞳孔反応曲線を計測したところ、赤色光と青色光との反応に異なる瞳孔反応曲線を得られることが分かった。この知見は、メラノプシン受容体を介した縮瞳反応は主として青色光により惹起されるとの当初の想定が正しいことを示しており、二種類の発色光を用いて連続した瞳孔反応を測定することの有用性が示された。 暗反応適応後からの発光による縮瞳後の暗反応適応後までの瞳孔径の回復に必要な時間よりも計測時間が短いため、計測時間を延長する必要があった。測定室内環境による照度の違いを少なくするために、車いす対応の測定用ボックスを作成した。現在、測定用ボックスの中にヒトミルを設置し測定中であり、臨床の現場でのヒトミルによる瞳孔反応測定の準備がほぼ整ったものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な認知症患者に対応できる瞳孔反応の計測を可能とするためにヒトミル装置の改良と測定条件を考慮した機械的調整とプログラミングソフトの変更を行った。同一被検者について異なる2波長の発色光による計測条件を設定した。また、測定を最適化するために測定用ボックスを作成し、ボックスの中でヒトミルによる瞳孔反応測定とその解析を行なうこととした。 大阪府下においては、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言や蔓延防止措置のために、当初予定していた高齢者施設や病院において、外部からの人の出入りを制限されたために、臨床現場での研究活動は大きく制限されたが、その間にヒトミル計測装置の改良と計測条件の改善に工夫を加えることができた。今後、新型コロナ感染による制限が解除され次第、臨床現場での測定を速やかに開始することとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、コロナ禍のために、臨床現場への出入りが制限された。したがって、計画内容を変更して、主として測定機器の調整とプログラミングソフトの改良を行った。そして、主として健常者のデータを収集した。このような対応により、新型コロナウイルスの影響は最小限に抑えながら実施できた。関連する高齢者施設と協議しながら、入所者の認知症患者と高齢者を選択し、最大の感染予防対策を実施しながら臨床の場の被験者の測定を開始した。 今後、新型コロナウイルス感染状況とワクチン接種状況を勘案して、臨床現場における実測を検討している。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言発令があり、大学内の出入り制限や予備的な測定を実施するための被検者の協力調整が難しい状況であった。測定器ヒトミルの開発と計測ボックス作成にあたっても、品切れや在庫不足のため納品が遅れてしまった。また、臨床現場での測定は延期せざるを得なかった。このようなことから、本年度の経費のかなりの部分を次年度以降に活用することとした。現在、測定機器と計測ボックスは完成しており、今後は順調な計測が期待される。
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