2020 Fiscal Year Research-status Report
To elucidate mechanisms of anorexia nervosa and avoindant/restrictive food intake disorder for novel therapy
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20K07942
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Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
田中 聡 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), 統括診療部精神科, 医師 (00456675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今枝 美穂 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00813651)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 神経性やせ症 / 回避制限性食物摂取障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食障害(神経性やせ症、回避制限型食物摂取症)患者群について年間10例程度、研究期間内に20例程度を追加することで、健常者との比較だけでなく、診断亜型間の統計的比較や縦断的検討を行う。これらの患者の臨床症状・各種認知機能・血中物質解析・質問紙に関するサンプリングおよびデータ解析を行うことを通じ、1)摂食障害の下位診断・下位症状ごとに血中生化学物質・生理活性物質を検討することを通じた病態把握、2)各モダリティを統合した解析を通じたバイオマーカーの探索、3)腸内細菌叢や体組成解析を含めたこれまでにない視点での病態把握、4)患者群の縦断的検討を通じた各指標・症状の回復可能性の直接的検討、を行う。 これらを通じ、摂食障害の統合的病態解明・現治療の限界測定・新規治療法開発・予後の改善を図ることが本研究の最終目的である。 令和2年度においては、年度途中での研究組織の変更(研究代表者の異動)があり、研究体制(サンプリング分担、オンラインでのチーム内会議の体制立ち上げ、データ管理体制の変更など)を必要としたが、予定していた数(患者10例)を上回るサンプル追加(健常者11例・患者11例)を行うことができており、まず血中のカルニチン濃度について測定を行った。得られたデータについての解釈を、現在分担研究者との間で検討している段階である。さらに、カルニチン以外の生理活性物質等について、今後の優先すべき解析項目および測定手法について具体的な検討を行っている。なお、令和2年度においては対外発表は行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた数(患者10例)を上回るサンプル追加(健常者11例・患者11例)を行うことができており、すでに一部項目については測定を完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度および4年度において、(1)血中生理活性物質を診断亜型間および健常者との間で比較を行う。(2)他の研究費により得られるモダリティと合わせて、診断亜型との関連を探索的に検索し、これまでに報告の乏しい視点からの検討を含めて、早期診断や診断確定につながるバイオマーカーの探索を行う。(3)回復期の指標を追加することにより、同じ個人からのデータを縦断的に解析し、各指標・症状の回復可能性を直接的に検討する。 これらの検討結果については、令和3年度および4年度において、国内学会での発表および査読付き国際専門誌への投稿を行い、摂食障害の病態解明及び新規治療法の開発に資する。
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Causes of Carryover |
今年度は解析用試薬の購入は一品目のみ(物品費として請求)しか行っておらず、次年度に繰り越してこれらの購入を行う予定である。新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、予定していた学会がすべて休会となり、旅費は発生しなかった。サンプリングにあたり協力者への謝金の支払いが不要となったため、人件費・謝金は発生しなかった。
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