2023 Fiscal Year Research-status Report
精神病症状を伴う双極性障害と統合失調症の神経ネットワーク~白質障害の比較解析~
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20K07966
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
城山 隆 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00252354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正幸 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70219278)
長谷川 智規 三重大学, 医学部附属病院, 技術職員 (40799954)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 統合失調症 / 白質 / 前頭葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症(SCZ)と精神病症状を伴う双極性障害(PBD)白質微細構造の比較解析として全脳白質skeletonを対象としてTBSSを用いて解析してきたが、前年度まで報告したようにサンプルサイズを反映して結果は限られた所見にとどまっていた。TBSSを用いたSCZ,PBD,健常群(HC)のFA値、MD値、AD値、RD値を3群比較する際に、コントラストはSCZ-PBD, PBD-HC, SCZ-HC, PBD-SCZ, HC-PBD, HC-SCZの6となり、post-hoc比較解析のSCZ-PBDあるいはPBD-SCZの多重比較補正のための有意水準はP=0.05/6=0.008となるため有意な所見が出にくいことも原因と考えられた。そのため、TBSSの感度を上げる目的で、全脳白質skeletonではなく限局した白質skeleton領域を関心領域としてTBSSをおこなう、いわゆるROI-based TBSSを試みた。近年のENIGMAやCOCOROなどのコンソーシアム研究では、SCZと双極性障害(BD)ではともに広範な脳白質障害がみられ、とくに前頭葉で効果量の大きいことが報告されていることから、前頭葉白質の、小鉗子、脳梁漆、両側の前放線冠、上放線冠、においてPBD8例、SCZ8例、HC22例でROI-based TBSSを施行した。しかし、FA値、MD値、AD値、RD値いずれのDTI measuresにおいても、いずれの白質領域においても、PBDとSCZの有意差は検出されなかった。この結果は両者に共通した前頭葉白質障害を示唆するのか、サンプルサイズに起因する統計的パワーの不足によるものなのか、今後も検討を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究初年度にCOVID-19の感染拡大に伴ってSCZ、PBD、HCともに、解析が可能なレベルの画像クオリティを確認できた登録症例数の確保が遅れ、その後の解析スケジュールに影響していた。SCZとHCの2群比較およびPBDとHCの2群比較の結果が得られているが、TBSSを用いた全脳白質skeleton、および前頭葉白質のROI-based TBSSにおけるSCZ,PBD,HCの3群の直接比較解析の結果と照合して、結果を慎重に解釈するため、より頑健な方法での解析を模索していることで解析スケジュールの遅延をきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
PBD、SCZ、HCの3群比較によるTBSS解析の結果と、 SCZとHC, PBDとHCの2群比較のTBSS解析の結果に基づいて、過去の知見を考慮してfiber tractographyやROI解析も行いながら、PBDとSCZの白質障害に差異があるのかどうかという本研究で設定した問いについて考察を深めていく。
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Causes of Carryover |
前年度・前々年度のCOVID-19に関連した被験者登録の遅れに伴い解析スケジュールも遅延し、さらに論文作成が遅れ、論文発表や学会参加が行えなかった。次年度に論文・学会発表経費および解析ソフトなどに使用予定である。
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