2022 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔支援システムを用いた社会的ジェットラグに対する睡眠行動療法プログラムの開発
Project/Area Number |
20K07967
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
降籏 隆二 京都大学, 学生総合支援機構, 准教授 (40727830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石見 拓 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (60437291)
岡林 里枝 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (70526805)
島本 大也 京都大学, 大学院医学研究科, 特定助教 (10828411)
斎藤 かおり 日本大学, 医学部, 助手 (60838902)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会的ジェットラグ / 睡眠行動療法 / ランダム比較試験 / 眠気 / 抑うつ症状 / クロノタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:社会的ジェットラグ(Social Jetlag: SJL)が増大している大学生を対象に、遠隔支援システムを用いた睡眠延長療法(SET-R)の有効性を検討した。 方法:SJL60分以上の日本人大学生を募集し、2群並行ランダム化比較試験を実施した。SET-Rでは、睡眠衛生教育、刺激制御療法、漸進的筋弛緩法をウェブコンテンツとして用い、段階的に睡眠時間を延長する個別化された睡眠スケジュールを電子メールで提供した。対照群は、睡眠の記録を行った。介入プログラムの期間は2週間であった。主要評価項目は、2週間後のSJLの平均変化量で、ミュンヘンクロノタイプ質問票(Munich ChronoType Questionnaire: MCTQ)を用いて評価した。副次評価項目として、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、エップワース眠気尺度(ESS)、不眠重症度質問票、Patient Health Questionnaire-9 (PHQ-9)、睡眠クイズを用いた。介入から6ヶ月後にフォローアップ調査を実施した。 結果:54名の学生のうち、26名が介入群に、28名が対照群に割り付けられた。2週間後のSJLの平均変化量は、2群間(n=26、n=27)で統計的に有意な差が認められた(27.7分、P=0.048)。ESS、PHQ-9、睡眠クイズのスコアは、対照群に比べ介入群で有意に改善した。6ヶ月後の追跡調査では、SJLの平均変化量の2群間(n=22、n=27)の差は統計的に有意ではなかったが、PHQ-9と睡眠クイズのスコアは有意な改善が認められた。 結論:SJLが増加している大学生に対するSET-Rの有効性を実証した。
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