2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K07971
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
越智 紳一郎 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (40568911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 佑 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50568912)
朴 秀賢 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60455665)
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Project Period (FY) |
2022-11-15 – 2025-03-31
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Keywords | 間歇型一酸化炭素中毒 / 成体海馬神経細胞新生 / ミクログリア / 神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
間歇型一酸化炭素(CO)中毒は、発症者数が多く重篤な認知機能障害を呈するが、その発現機序は不明であり、治療法も確立されていない。病態解明と有効な診断・治療法開発に繋げるために、CO曝露がミクログリアおよび末梢血における遺伝子発現に及ぼす変化を網羅的に解析すること、特に我々のこれまでの研究で示された成体海馬神経細胞新生における影響を検討することが、本研究の目的である。 6週齢の雄性Wisterラットをチャンバーに入れ、1000ppmで40分、3000ppmで20分、その後10000ppmでラットが意識消失するまで、COを曝露し間歇型CO中毒モデルを作成した。また、コントロール群として、同様にチャンバーに1時間入れておくAir群も作成した。 CO曝露ラットの認知機能変化を、受動回避試験による行動解析によって、群間比較評価し、CO群で低下するラットが有意に多いことを確認した。3週間後、ラットの脳組織を単細胞懸濁液に分散し、ミクログリア特異的抗体を用い、マグネットソーティングを行い、ミクログリアを単離した。さらに、セルソーターによりミクログリアが単離できていることを確認した。単離したミクログリアを用いてAir群及びCO群のミクログリアの全RNA解析を行い、詳細に解析したところ、CO群でいくつかの神経細胞栄養因子の遺伝子の発現が低下していることを見出した。さらに、マイクログリアのミトコンドリアの代謝能を調べたところ、ATPの産生が有意にCO群で低下していることなどを見出した。これらのことから、CO中毒はミクログリアの機能変化として、遺伝子発現の変化を引き起こし、さらにミクログリアの代謝能の低下をももたらし、更に少なくとも3週間後も改善していないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が米国留学していたため、研究を一時中断する必要があった。そのため再度実験系の構築などを行う必要があったため、実験に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では再度Air群とCO群のモデルラットを作成し、各群のミクログリアを抽出し、全解析の結果から見出した候補遺伝子をqPCRを用いて、妥当性を検討し、そこまでの結果を論文として公表する。
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Causes of Carryover |
実験系の再構築などで時間を必要としたため、十分な研究を遂行することができなかったため、次年度使用額が生じた。本年、国際学会による発表及び学術雑誌への投稿を行う予定のため、昨今の円安によってこれらが大幅に値上げされているため、これらに用いる予定である。
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