2022 Fiscal Year Research-status Report
反復性経頭蓋磁気刺激による治療抵抗性うつ病の治療メカニズムの探索
Project/Area Number |
20K07974
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
立石 洋 佐賀大学, 医学部, 講師 (50457470)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門司 晃 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (00294942)
村川 徹 (平地徹) 佐賀大学, 医学部, 助教 (00813049)
原口 祥典 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (10457476)
西原 正志 佐賀大学, 医学部, 助教 (50516557)
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
溝口 義人 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60467892)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ミクログリア様細胞 / 神経炎症 / うつ病 / 反復経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤治療抵抗性うつ病患者に対する反復性経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation: rTMS)による治療の前後に、脳脊髄液・血液・唾液中のバイオマーカー(高感度CRPをはじめとした各種炎症マーカー、脳由来神経栄養因子(BDNF)、コルチゾル等)、頭部MRIの拡散テンソル画像検査及び認知機能検査を行い、それらの結果からrTMSの治療効果、特にうつ病患者のリカバリーに深く関与する認知機能障害の、rTMSによる治療効果のメカニズムを探索することを目的とし、そのために、うつ病における神経炎症、特にミクログリアのうつ病における関与に着目し、rTMS治療前後の血液サンプルからミクログリア様細胞(induced microglia-like cells; iMG)を作製し、iMGの貪食能、Ca2+動態、炎症関連物質の産生能などの変化を解析し、iMGのうつ病への関与について解析し、得られた知見から治療抵抗性うつ病患者に対するrTMSの治療効果のメカニズムの探索することを研究の目的としていた。 R4年度はこれまで保険収載されたニューロスターの機器を利用してrTMS治療の同意が得られた9症例に加えて、5症例に対してrTMS治療の同意を得た。6週まで治療継続できた6症例に対してrTMS治療の前後で血液・唾液・頭部MRI・認知機能検査を行った。髄液については同意が得られず症例が収集できなかった。6症例に対してiMGのmRNAのマイクロアレイ解析へ提出し、結果の解析中である。また、5例のiMGに対してIgGの貪食能の定量を行い解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の集まりが悪い。髄液については同意が得られず症例が集まっていない。ただし、髄液以外については既にrTMS治療ができた症例について検査・評価ができている。また、末梢血から得られるiMGの誘導の準備は順調に進み、貪食能及び神経炎症に関連するiMGのmRNAのマイクロアレイ解析の準備も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きrTMS治療患者の症例を集めていくと同時に、末梢血から得られたiMGのIgG貪食能の解析を進める。また、iMGから抽出したmRNAのマイクロアレイ解析を通して神経炎症に関連する治療抵抗性うつ病患者に対するrTMS治療効果を検証していく。
|
Causes of Carryover |
サンプル収集を継続している段階であったため。
|