2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of a novel amylodotic biomarker for alzheimer disease
Project/Area Number |
20K07975
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
相馬 仁 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70226702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239) [Withdrawn]
水江 由佳 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20464480)
大橋 美帆子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80843482)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アミロイド / Congo Red / MFG-E8 / 吸収スペクトル解析 / 長波長シフト / 電顕ネガティブ染色法 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)でアミロイド形成を惹起する環境がある本病態では、Aβの他にもアミロイドを形成するタンパク質の存在が考えられ、当教室でこれまで、分泌タンパク質Milk Fat Globular Protein EGF-8(MFG-E8)が老人斑の中心部分に局在し、その周りをAβが囲むことを認めた。 MFG-E8のアミロイド性はCongoRedのスペクトル変化によって調べた。タンパク質に結合したCongoRedは、タンパク質のアミロイド変化に伴って500nm付近ピークの長波長シフトが起こる。用いたリコンビナントMFG-E8は大腸菌と哺乳類培養細胞で発現した2種類を用意した。大腸菌では細胞内封入体に取込まれ、精製に変性過程を必要とする(rMFG-E8E)。一方、哺乳類培養細胞でリコンビナントMFG-E8(rMFG-E8m)は、細胞から分泌し、変性過程を経ずに精製でき、ネーティブに近いと考えられる。CongoRedスペクトル変化はrMFG-E8mでは、時間経過と共にピークの長波長シフトが観察され、アミロイド形成が進行することが示唆された。電顕でアミロイド繊維様の画像が観察された。しかし、rMFG-E8EのCongoRedスペクトルは最初から長波長シフトが認められ、電顕画像からもそのことが観察された。rMFG-E8Eは精製過程(変性・再生)でアミロイド化がすでに起こっていたと考えられる。 次に、血漿MFG-E8を定量するために、rMFG-E8Eをマウスに免疫し、ELISAの系を確立し、183名のアルツハイマー病患者、51名のレビー小体型認知症、そして対照として420名の健常高齢者血漿でMFG-E8を測定した。その結果、アルツハイマー病患者の中でもApoE4を持つアルツハイマー病患者で、有意に血漿MFG-E8が上昇することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究以外の業務との両立がうまくできなかったため、研究に充てる時間が計画通りにとれなかった。そのため、期待された実験家結果を十分に得られなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に計画していて、できなかった研究を行うと同時に、さらなる発展に向けた研究を推進する。そのうえで、論文をまとめ、学会等で発表の機会を得る。
|
Causes of Carryover |
前年度、計画通りに進まなかったため、予算の消化ができなかった。1年延長して研究を行うため、そこに充てる。
|