2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of a novel amylodotic biomarker for alzheimer disease
Project/Area Number |
20K07975
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
相馬 仁 札幌医科大学, 医療人育成センター, 名誉教授 (70226702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239) [Withdrawn]
水江 由佳 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20464480)
大橋 美帆子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80843482) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アミロイド / MFG-E8 / アルツハイマー病 / レビー小体型認知症 / ELISA / エストロゲン / 血漿バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで明らかにした新規のアルツハイマー病(AD)バイオマーカーMilk Fat Globular Protein EGF-8(MFG-E8)は、ADモデルマウスを用いて、老人斑の中心部分に局在し、その周りをAβがとり囲む特徴的な性質があることを明らかにした。更に、MFG-E8分子そのものが、時間と共にアミロイド性の性質を持つことを初めて見出した。MFG-E8は分泌タンパク質として先に同定され、アポトーシス細胞除去に働くことが報告されている。また、MFG-E8は脂質結合性を持つことから血液脳関門を通過する可能性があり、血漿マーカーとなることが考えられる。そこで、アミロイド性の性質を持つことを確認したコンビナントMFG-E8を抗原として、マウスからモノクローン抗体を作製し、定量のためのELISA系を確立した。183名のAD患者、51名のレビー小体型認知症(DLB)、そして対照として420名の健常高齢者血漿でMFG-E8を測定し結果、ADリスク因子であるApoE4を持つAD病患者で有意に血漿MFG-E8が上昇していた。一方、DLBでは有意な差は認められなかった。 血漿MFG-E8濃度は、エストロゲンによってその量が上昇することが他で報告されている。また、高齢者の血中エストロゲン量は、女性よりも男性で高い傾向のあることが報告されている。本研究で、高齢者のMFG-E8濃度を比較すると、女性よりも男性で有意に高くなることが示された。しかしながら、ADバイオマーカーとしてのMFG-E8は、性別による影響は受けないことが明らかとなった。 以上のことから、MFG-E8はADにおいて、アミロイド性の性質を持つ新規バイオマーカーで、かつ血漿バイオマーカーとなりうることが示唆された。
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