2020 Fiscal Year Research-status Report
A research on the brain imaging and language of patients with the left temporal pole dysfunction
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20K07983
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
阪井 一雄 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (80304096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 医師 (00216558)
山本 泰司 神戸大学, 保健管理センター, 教授 (00324921)
松石 邦隆 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 部長 (70869677)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アミロイドPET / タウPET / FDG-PET / 側頭極 / 意味認知症 / 語義失語 / 意味理解 / 語義理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究は、神戸市立医療センター中央市民病院・精神神経科を受診した認知症患者のうち、左側頭極に脳MRIで萎縮が観察され、脳血流IMP-SPECTで集積低下が観察される患者(仮に左側頭葉機能低下型と呼ぶ)を対象とする。文書による同意を得た後、同病院分子イメージング研究部において、ウェクスラー記憶力検査 、WAB失語症検査、失語症語彙検査、標準抽象語理解力検査、The Pyramid and Palm Trees Test といった検査を行い被験者の言語機能を評価する。更に、脳アミロイドイメージング、タウイメージング、FDG-PETを行い、脳アミロイド沈着、タウ沈着及び脳代謝を非侵襲的に画像化する。これらの資料を解析して、アミロイド沈着、タウ沈着、脳代謝の低下の部位やその程度と、命名、単語理解、意味記憶や抽象語理解といった言語機能を始とした高次機能や精神症状・神経症状との関連を検討し、その解析を通じて、言語機能をはじめとした高次機能の脳局在に関する知見を得るとともに、左側頭極を中心とした変性疾患に対する治療法の端緒を得ることを目標にしている。 今回の研究には科学研究費以外の予算は殆ど無く、このため科研費の交付決定を受けて後に、倫理審査申請書の作成を行い、神戸市立医療センター中央市民病院の倫理委員会の審査を受け、令和3年1月29日に承認を得ることができた。 現在、研究への組入基準に該当する患者がみつかれば、検査を開始することが可能な状態に至っているが、COVID-19の感染を受けて、比較的軽症の患者の認知症外来への受診が激減していること、神戸市立医療センター中央市民病院がCOVID-19患者の受入病院であることが市民に知られていること等から、該当する被験者が得られていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、初年度に倫理申請を行い最初の被験者に検査を行う事を計画していた。倫理審査の承認を得ることは予定通り実行できたが、前述の通り、COVID-19の感染を受けて、比較的軽症の患者の認知症外来への受診が他院も含めて激減していること、神戸市立医療センター中央市民病院がCOVID-19患者の受入病院であることが市民に知られていること等から、該当する被験者が来院するに至っていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
他院に通院中の患者の中に該当する被験者も対象にするため、認知症疾患医療センター等の認知症診療機関の担当医に直接説明し、患者の紹介を依頼することも想定していたが、緊急事態宣言の度重なる発出等があり、訪問することが困難な状況が続いている。このため、一人目の患者の組入の見通しが立っていないのが現状である。COVID-19の収束が想定される今夏以降に、これらの被験者募集活動を開始して、遅延した被検者への検査を早期に行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
この研究においては、保険適応外である、アミロイドPET、タウPETを使用するため特定臨床研究である可能性があり、特定臨床研究申請費用として300,000円を計上していたが、PETそのものの有効性を確認する研究ではないことから、特定臨床研究ではないとされ、被験者に対する検査を行う神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院で通常の臨床研究として倫理審査を受け認可を受けることができた。このため、この費用が余ることになった。 また、COVID-19の蔓延により、認知症外来の受診者、特に介護上の問題が未だ顕在化していない受診者が激減しており、最初の被験者 組入に至っていない。このため、他の共同研究者も研究費を執行することができなかった。これらのため、予定した予算執行が行われず、次年度使用額が生じた。 これらの金額は、主に次年度以降の被験者への神経心理検査キットの購入費用及びPET撮像費用として次年度に使用する予定である。
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