2021 Fiscal Year Research-status Report
うつ病モデルマウスの脳由来エクソソームを用いた血液バイオマーカーの探索
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20K07985
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
松野 仁美 (鈴木仁美) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, リサーチフェロー (40415302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞外ベシクル / 血液脳関門 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではうつモデルマウスにおいて脳血管由来細胞外ベシクル(extracellular vesicle:EV)の放出が起こる可能性について検証し、うつモデルマウス血清EVの機能解析を通じて脳血管異常を伴うタイプのうつ病診断末梢バイオマーカーを探索することを目的とする。今年度は次のような成果を得た。 1)慢性ストレスうつモデルマウスについて、うつ様行動発現に伴って脳領域特異的なBBB機能異常が起きること、またそのメカニズムにはVEGF-VEGFR2シグナルが関与していることを明らかにし、その結果をMolecular Psychiatry誌へ投稿し受理された。 2)凍傷BBB破綻モデルマウスおよび慢性ストレスうつモデルマウスの血清EVについて粒子数、サイズの計測を行った。 3)凍傷BBB破綻モデルマウス血清由来EVを用いて、ウエスタンブロットによるEVマーカータンパク発現レベル解析の条件検討を行った。 4)慢性ストレスうつモデルマウス血清由来EVが脳血管バリア機能へ影響する可能性について検討するため、培養脳血管内皮細胞を用いた血管透過性解析実験の条件検討を行った。VEGF投与時のTJタンパク質Claudin5の局在変化、色素透過性亢進、電気抵抗値低下の予備的結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属研究室の移動、新型コロナウイルス感染防止による実験室への入室制限のため若干遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度は慢性ストレスうつモデルマウス血清由来EVについて、下記の実験を予定している。1)EVマーカーおよび血管内皮細胞マーカー発現レベルの解析、2)培養脳血管内皮細胞へのEV投与実験、3)EVの成分解析。
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Causes of Carryover |
実験計画の変更と学会がオンライン開催になったことから、次年度繰り越し額が生じた。今年度は試薬・実験機器購入費、論文校正・投稿費用に使用予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Association between vascular endothelial growth factor-mediated blood-brain barrier dysfunction and stress-induced depression2022
Author(s)
Hitomi Matsuno, Shoko Tsuchimine, Kazunori O'Hashi, Kazuhisa Sakai, Kotaro Hattori, Shinsuke Hidese, Shingo Nakajima, Shuichi Chiba, Aya Yoshimura, Noriko Fukuzato, Mayumi Kando, Megumi Tatsumi Shintaro Ogawa, Noritaka Ichinohe, Hiroshi Kunugi, and Kazuhiro Sohya
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Journal Title
Molecular Psychiatry
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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