2022 Fiscal Year Research-status Report
うつ病モデルマウスの脳由来エクソソームを用いた血液バイオマーカーの探索
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20K07985
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松野 仁美 (鈴木仁美) 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (40415302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性ストレス / うつ病 / 血液脳関門 / 血管透過性 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではうつ病モデルマウスにおけるBBB機能異常に伴って脳血管由来エクソソーム(EV)の放出が起こる可能性について検証し、うつ病モデルマウス血清由来EVの機能解析を通じて脳血管異常を伴うタイプのうつ病診断末梢バイオマーカーを探索することを目的とする。これまでに慢性拘束ストレスを用いたうつ病モデルマウスについて、うつ行動発現に伴って脳領域特異的なBBB機能異常が起きること、またそのメカニズムにはVEGF-VEGFR2シグナルが関与していることを明らかにしてきた。今年度はうつ病モデルマウス血清由来EV中の粒子径・数の計測および同マウスの脳血管形態解析を行い、予備的結果を得た。慢性ストレスによるマウス血清由来EV機能的変化の解析を行うため予定していたEVの内容物解析、投与実験等の計画は、研究代表者の所属移動に伴い遅れが生じたが、投与実験後に行う培養血管内皮細胞を用いた透過性解析実験、マウス血管透過性測定の条件検討を進めた。またウエスタンブロッティングによる予備実験では、マウス血清由来EV中の血管内皮細胞マーカーの十分なシグナルが得られなかったため、次年度に血管内皮細胞由来EVの蛍光ラベリングによる検出方法を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属移動に伴い実験の立ち上げ、手続きに時間を要したため、実験計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ウエスタンブロッティングによる予備実験より、マウス血清由来EV 中の血管内皮細胞マーカーの検出が難しいという問題が出てきた。そこで、今年度は血管内皮細胞由来EVの蛍光ラベリング、単離条件について、脳血管内皮培養細胞を用いて再検討を行い、うつ病モデルマウス血清由来EVの定量、EVの体内動態、血管内皮細胞透過性への影響を解析することを予定している。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属期間移動に伴う実験計画の変更・遅れがあり、次年度繰り越し額が生じた。今年度は試薬・動物購入費、論文投稿費用に使用予定である。
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