2021 Fiscal Year Research-status Report
成人自閉スペクトラム症における神経基盤研究:臨床応用と統合失調症との異同の検討
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20K07986
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Research Institution | National Hospital Organization, Hizen Psychiatric Center |
Principal Investigator |
小田 祐子 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (70721265)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / ASD / 調整定常反応 / 脳波 / ASSR / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、自閉スペクトラム症(ASD)における64チャンネル脳波計測器を用いて20-80Hz帯域刺激に対する調整定常反応(ASSR)を評価し、神経回路異常について検討を行った。被験者はASD患者18名、年齢と性別をマッチさせた健常対象者18名を対象とした。患者の診断は構造化面接を行いDSM-5に基づき、自閉症診断観察検査 (ADOS-2)及び自閉スペクトラム指数(AQ)を用いてASDの症状評価を行った。 40Hzクリック音におけるASSRにウェーブレット変換を適用し、電極Fczにおける位相同期性を解析した。得られた結果に対し、t検定にて有意差を調べた。その結果40Hz刺激に対する位相同期性がASD患者において有意に低下していた。症状評価と位相同期性の相関では、ADOS-2のB9(対人的働きかけの質)において位相同期性と有意な負の相関を認めた。ASDの病態に神経活動の同期の低下が関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020-2021年度の間に、予定の被験者数のデータを獲得した。2022年度においてデータ解析及び統計解析を行なっている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究計画に従い、データ解析にて得られた成果を逐次学会発表にて発信する予定である。
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Causes of Carryover |
旅費の計画していた部分が、コロナ感染の影響で学会出張ができなかったため。
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