2021 Fiscal Year Research-status Report
σ受容体を標的とした新規固形がんイメージング剤と抗がん剤の開発
Project/Area Number |
20K07991
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小阪 孝史 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 助教 (50579836)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | シグマ(σ)受容体 / イメージングプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
シグマ(σ)受容体は多くの固形がんに高密度での発現が認められており、そのアンタゴニストには抗がん作用が報告されている。そこで本研究では、σ受容体に親和性を示すvesamicolをリード化合物に用いた新規固形がんイメージング剤のデザイン・合成および評価と、抗がん剤としての可能性を追求する。 私は昨年度までに、リモネン骨格を有するvesamicol類似構造体(以下LV)が、in vitroにおいてσ-2受容体に高い親和性および選択性を有することを見出した。またSPECT用核種[123 I]による標識を想定し、ベンゼン環上のオルト位、メタ位、パラ位へのヨウ素(後に放射性ヨウ素への変換が可能)導入位置を検討した結果、メタ位をブロモ置換したLVが最もσ-2受容体に高い親和性および選択性を有することを見出した。このことは即ち、メタ位にヨウ素を有するLV(以下MILV)がσ-2受容体選択的リガンドとして高い可能性を持つことを意味する。そこで非標識体MILVを新たに合成した。またLVのメタ位にトリメチルスズ基を導入した後、放射性ヨウ素[125 I]による標識体[125 I]MILVの合成およびHPLCによる精製に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規化合物の合成および精製に困難があり、その解決に手間がかかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
MILVのin vitro評価を行う。また[125 I]MILVの動物実験を行い、in vivoにおけるσ受容体イメージング剤としての評価を行う。
|
Causes of Carryover |
動物実験を予定していたが、次年度に持ち越しになった。次年度使用額は実験動物の購入や腫瘍細胞の培養、担癌マウスの作製などに充てる予定である。
|