2022 Fiscal Year Annual Research Report
σ受容体を標的とした新規固形がんイメージング剤と抗がん剤の開発
Project/Area Number |
20K07991
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小阪 孝史 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 助教 (50579836)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | σ-2受容体 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
シグマ(σ)受容体は多くの固形がんに高密度での発現が認められており、そのアンタゴニストには抗がん作用が報告されている。そこで本研究では、σ受容体に親和性を示すvesamicolをリード化合物に用いた新規固形がんイメージング剤のデザイン・合成および評価と、抗がん剤としての可能性を追求する。 リモネン骨格を有するvesamicol類似構造体(以下LV)が、in vitroにおいてσ-2受容体に高い親和性および選択性を有することを見出した。またLVのベンゼン環上のメタ位をブロモ置換したが最もσ-2受容体に高い親和性および選択性を有することを見出した。次に放射性ヨウ素[125I]で標識した[125I]MILVの合成およびHPLCによる精製に成功した。得られた[125I]MILVとσ-2受容体が多く発現するヒト悪性黒色腫細胞A375を用いて、in vitro薬物細胞内取込実験を行った結果、control群で30分後に[125I]MILV細胞内取込量が最大値を示し、阻害剤haloperidolがその取込をよく阻害することを明らかにした。また、A375およびヒト由来乳がん細胞MCF-7とヌードマウスを用いて担癌マウスを作成し、[125I]MILVの体内分布実験を行った。その結果、投与60分後に[125I]MILVが高く集積することが分かった。更にSPECT用放射性ヨウ素[123I]で標識した[123I]MILVを担癌マウスに投与してSPECT/CT撮像を行い、[123I]MILVの腫瘍σ-2受容体イメージング剤としての評価を行った。
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