2022 Fiscal Year Annual Research Report
高精度MRIによる膵癌の画像所見と病理所見の網羅的解析
Project/Area Number |
20K07992
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤永 康成 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70334901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / MRI / 高精度 / 進達度診断 / Radiomics / Radiogenomics |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は①薄いスライスで撮像した高精度ダイナミックMRIとマルチスライスCTで撮像されたダイナミックCTにおける膵癌の進達度診断精度に関する比較検討,②遺伝子解析結果と画像所見との対比を行った. ①については膵癌切除例54例を対象とし,同一患者でダイナミックMRIとダイナミックCTについて膵癌の進達度評価を行い,診断能を検討した.検討項目は膵表面への浸潤および各種脈管への浸潤評価を2名の放射線科医が独立して行った.結果について,膵表面への腫瘍の進展に関しては,CTとMRIの正診率はそれぞれ82.4%と79.4%であり,CTがやや高い値を呈したものの,統計学的には有意差を認めなかった.脈管浸潤に関する正診率についてもCTおよびMRIでそれぞれ92.3%と93.7%であり,MRIの方が高い傾向を示したが統計学的有意差は認めなかった.結論として,進達度診断に関して,ダイナミックMRIはダイナミックCTと同等の診断能を有すると考えられた.(本研究の内容は第82回日本医学放射線学会総会で発表した) ②については膵癌切除例48例に対して網羅的遺伝子解析を行った.結果が3月の下旬に得られたため,現在のところKRAS遺伝子に関して予後の検討を行ったところである.KRAS遺伝子陽性の膵癌は48例中41例で認められ,KRASのサブタイプに分けて予後を検討した.p.G12D変異のある17例をその他の24例と比較したところ,それぞれの群で生存率に統計学的な有意差を認めなかった.p.G12V変異のある21例と残りの20例を比較しても各群の生存率に統計学的有意差は認められなかった. 全体として高精度MRIがマルチスライスCTの診断能に匹敵する精度であることは証明できたものの,RadiomicsおよびRadiogenomicsについては解析中であり,引き続き検討を継続する.
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Research Products
(2 results)