2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮良性疾患におけるMRIによる子宮蠕動運動と不妊治療、妊娠転帰予測に関する検討
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20K07993
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木戸 晶 京都大学, 医学研究科, 講師 (80595710)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮 / MRI / 蠕動 / 内膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、MRIを用いて婦人科疾患の中で頻度の高い子宮筋腫・腺筋症・内膜症と診断された患者の子宮機能である子宮蠕動を評価し、各疾患分類・内分泌血液検査データ等をあわせ、長期的妊孕能の評価を行うことである。 本患者データは、研究協力者である倉敷平成病院産婦人科太田郁子医師のデータを用いて本年度145症例のT2強調像、MRIによる蠕動データを得た。これらの症例について、T2強調像で疾患の有無、蠕動の方向・頻度を評価している段階である。まだ評価の途中段階の評価ではあるが、既報の如く、健常子宮においては、月経周期に応じて月経期には血液の排出方向に向かう、強い収縮を伴う動きが主として認められた。また、増殖期には精子運搬の方向へ活発な動きが高い頻度で蠕動が確認され、黄体期には受精後の着床を妨げないように動きのない状態になることが確認された。また内膜症への治療薬服薬中の患者についてはそのホルモン作用を反映し、蠕動は認められない例が多かった。良性疾患である、子宮筋腫、腺筋症については、その症例が限られており、まだ長期的な経過をみるだけのデータが揃っているとはいえない。また、これらのデータは受診時に撮影されたMRIのデータのみであり、血液データのデータ化は進んでいない。また、本研究の目的である、その後の治療経過による蠕動の変化、妊孕能の治療及び妊娠経過についての情報が必要であるが、それについては、まだデータの取得ができていない状況にある。現在も依然として、新型コロナ感染の状況で、申請者が他院へ出向くことが難しい状況が続いており、検討に要する詳細なデータの取得、確認が困難な状況が続いている。本来の研究目的である、蠕動による妊孕能との長期的予測について、画像と、臨床データをどのように組み合わせるかを研究協力者と検討を重ねる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
画像データの送付は、電子媒体で可能であるが、患者データの詳細、転帰などについては、申請者が直接カルテを確認する必要がある。このため、研究協力者の施設へ出向く必要があるが、新型コロナ感染による移動制限により、当院からの移動の制限が強いため、予定していた訪問ができない状況にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であり、できる限り、病院長の許可を得た上で、共同研究先に出向いた上で、データ取得につとめたい。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているため、学会発表や論文作成へ必要となる予定の予算を使用することがなかったため。
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