2023 Fiscal Year Research-status Report
子宮良性疾患におけるMRIによる子宮蠕動運動と不妊治療、妊娠転帰予測に関する検討
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20K07993
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
木戸 晶 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (80595710)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子宮 / 子宮腺筋症 / 子宮蠕動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの経過として、研究開始当初、研究協力者から送付された対象となりうるデータ145例について検討を行ったが、当初の研究計画のInclusion criteriaに該当せず、研究計画の見直しが必要となった。改めて、研究計画を見直し、対象とする患者を「婦人科医の診察の上、「腺筋症」の疑いでMRI撮影のされた患者」と定義し、2017年9月から2023年9月まで219例の画像、および臨床情報を取得、最終的に139名を評価の対象とした。 子宮を前壁、後壁に分類し、病変のある壁、ない壁に分類。1名の放射線科医が、月経周期(増殖期、黄体期、月経期)に分類し応じて子宮蠕動の有無を評価。蠕動が存在する場合は、頻度、方向(頸部―底部方向、底部―頸部方向、mixed)、子宮外子宮筋伝導 (OMC) の有無を評価した。 子宮腺筋症のある子宮壁については、本疾患に特徴的な動きと考えられる、不規則な信号の動きと粘膜の動きを評価。増殖期において、内膜症性嚢胞の有無による蠕動の違いも検討した。 結果、特に黄体期において、正常な壁 (47/96) よりも腺筋症のある壁 (113/182) で有意に多く観察されたが、頻度には有意な差は認めず (6.9 対 7.4)。月経周期間で、蠕動運動の存在と頻度に有意な差は認めなかった。蠕動方向は、増殖期および黄体期では頸部―底部方向、月経期ではmixedパターンであった。腺筋症病変部分における蠕動について、半数の症例で不規則な信号運動と粘膜運動が認められた。25%の症例で、OMCと不規則な信号の移動の両方が伴いました。 OMCは、増殖期の腺筋症患者でより頻繁に観察された (29/49 対 7/24)。 子宮内膜症性嚢胞のある症例では、子宮内膜症性嚢胞がない症例と比較して、蠕動運動の有意な減少が観察された。 本内容を北米放射線学会へ投稿し、現在、論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載の通り、研究開始時においては、送られたデータを全て対象から計画し直す必要があった。 また、申請者が画像の評価のために、他院へ出向く必要があったが、新型コロナウィルス感染症の所属病院の規定により、研究機関のうち3年の間、移動が制限された。昨年ようやく移動が可能となり、データを取得可能となった。今年度は、申請者の異動が生じ、新たな勤務先では臨床業務等の負担が多く、研究時間を確保することが難しくなった。現在、研究時間を幾ばくか確保し、論文化を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載のように、既に結果は統計処理も含めて終了し、論文の草稿は記載した状況にある。今後、臨床等の業務との兼ね合いを調整し、申請者が論文の形を整える時間を確保する。
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Causes of Carryover |
先の項目に記載の通り、新型コロナウィルス感染による移動制限のため、データ収集が遅れ、学会発表、論文作成が2024年度となってしまった。従って、それらのための費用が2024年度に発生するため。
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Research Products
(1 results)