2020 Fiscal Year Research-status Report
microRNAを用いた生物学的Adaptive radiotherapyの検討
Project/Area Number |
20K07995
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 圭朗 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90749201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 智昭 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (20295067)
徳丸 直郎 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (90304899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線増感 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌細胞株Panc-1に対して、マイクロRNA導入(トランスフェクション)を行った上で、炭素イオン線を用いた照射実験を行った。マイクロRNAとしては、過去の自施設での研究・文献よりmiR99b,miR101-1,miR144を用い、線量は0Gy、1Gy、2Gy、3Gy、4Gyを用いて行い、コロニーアッセイ法で各線量における生存率のデータを取得した。また同時にコントロールとして、トランスフェクションをしていない細胞(コントロール)および、空ベクターを導入した細胞にも照射を行った。トランスフェクション効率に関しては、GFPが発現している細胞割合を蛍光顕微鏡を道いて確認し、過去の研究と相違のないものを用いている。導入したマイクロRNAはいずれも放射線増感効果が期待されるものであるので、コントロール群に比べて照射後の細胞数の減少が期待された。結果としてはマイクロRNAを導入した群に関しては、コントロール群に比べて細胞数の減少は軽度であるものの、全体に細胞が小型/萎縮する現象が著明にみられており、マイクロRNA導入による効果と思われた。今回照射のコントロールの生存率は、過去の自施設での照射実験の際に同様の条件で照射を行ったコントロール群の生存率と近似しており、照射自体は問題がないものと思われた。小型化し萎縮した細胞の解釈には慎重を要するが、今後のマイクロアレイを用いた解析などに向けて、有望な結果が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌細胞株へのトランスフェクションが安定せず、繰り返しを要した。播種細胞数の調整などはこれまでの研究で用いたものを参考としたため、調整は不要であったが、照射後の細胞の小型化/萎縮様変化に関しては、過去の報告も乏しく、再度の照射実験が必要であったが、炭素イオン線照射のスケジューリングに関しては、実臨床施設の設備を使用しているため、そもそも制約があることに加え、新型コロナウイルス感染症に対する施設利用制限やルールの変更、研究補助者の制約などが重なり、研究を研究通りに遂行することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
各種マイクロRNAをトランスフェクションした細胞に炭素イオン線を照射した場合の細胞の小型化・萎縮様変化に関しては、再度の照射実験による確認が必要と考えている。その後、マイクロアレイを用いた解析実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
放射線増感作用の期待されるマイクロRNAを導入した膵癌細胞株に対する炭素イオン線照射後の予想していなかった変化(小型化/萎縮様変化)のため、再度の検討・実験が必要となった。このため、最も予算を必要とするはずであったマイクロアレイの購入ができず、次年度使用額として繰り越した分で、マイクロアレイの購入を行う予定である。
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