2021 Fiscal Year Research-status Report
microRNAを用いた生物学的Adaptive radiotherapyの検討
Project/Area Number |
20K07995
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 圭朗 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90749201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 智昭 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (20295067)
徳丸 直郎 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (90304899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線増感 |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNAをトランスフェクションした膵癌細胞株Panc‐1に対して、照射実験をおこなった。これまで陽子線、ヘリウムイオン線、炭素イオン線を用いて照射実験を行ってきたが、実験効率上、炭素イオン線のみ用いて照射を行った。 トランスフェクションに用いるmicroRNAとしては、miR99b, miR101-1, miR144を用いた。また、コントロールとして、空ベクターをトランスフェクションした細胞(コントロールベクター)にも照射を行った。トランスフェクションしたmicroRNAはいずれも過去の研究にて放射線増感が示されているものを用いた。照射は1Gyから4Gyまで1Gy刻みで施行し、生存率を比較した。 結果として、コントロールベクターで細胞の生存率が1Gy:51%, 2Gy:34%, 3Gy:15%, 4Gy:0.7%に対して、miR99bで1Gy:84%, 2Gy:37%, 3Gy:16%, 4Gy:12%、miR101-1で1Gy:43%, 2Gy:19%, 3Gy:15%, 4Gy 0.5%, miR144で1Gy:76%, 2Gy:41%, 3Gy:17%, 4Gy:0.6%であった。miR99bやmiR144ではコントロールベクターと比較して生存率が減少している(=放射線増感が見られている)わけではなかったが、0Gy群も含めて細胞の小型化・萎縮が見られており、これらの変化もmicroRNAの導入の効果と思われた。前回の実験に引き続き有望な結果が得られたものの、トランスフェクション効率自体は40%程度と低く、今後のマイクロアレイを用いた解析に向けての課題と思われる
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
膵癌細胞株へのトランスフェクションがやはり安定せず、改善が必要と思われた。また新型コロナウイルス感染症に起因する施設の使用制限や、マイクロアレイ関連備品の供給不足、研究補助者の制約などがあり、研究を予定通りに施行することが非常に難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌細胞株へのトランスフェクションを繰り返したが、やはり安定せず、今後改善に向けての工夫が必要と思われる。安定したmicroRNAの導入が可能となり次第、マイクロアレイを用いた解析実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
トランスフェクションが安定せず、改善を要したため、最も予算を要するはずであったマイクロアレイの購入ができず、次年度への持ち越しとなった。
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