2021 Fiscal Year Research-status Report
NIRSを用いた高次脳活動時の脳血液量増加持続時間の解析
Project/Area Number |
20K08001
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
関根 紀夫 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (70295434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 顕 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (80199421)
白川 崇子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (40218045)
岡野 ジェイムス洋尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90338020)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80315960)
松浦 勉 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 教授 (80181692)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 注視点計測 / 医療スキル / 実技実習 / 近赤外分光解析法 / 脳血流量変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究では、高次脳活動(タスク)に伴う脳血流量増加が、タスクを長時間持続した場合、どのように変化するのかを明らかにする研究である。タスクの継続時間や難易度に伴う注視点移動量の変化をはじめ、タスクの作業手順の効率化が、どのような影響を与えるのかを比較検討しながら特徴を分析する。 ・2021年度は、本学所有の研究用光脳機能イメージング装置「LABNIRS」と注視点計測装置「アイマークレコーダEMR-9」の同時計測を行うための基礎実験を行った。1桁足し算引き算計算をタスクとして、高次脳活動中の脳活動領域の血流量変化と注視点の時間変化の同時計測を試みた。取得したLABNIRSのデータよりEMR-9で使用・不使用で数値が異なり、注視点計測用の近赤外線が影響していることが明らかになった。双方のメーカー技術者の協力を得て、通常、点滅利用しているEMR-9の近赤外線を常時点灯させ、一定の出力とすることで計算上はNIRS計測への影響は少なくなることが確認できた。ただし、EMR-9からの近赤外光由来の信号が大きくなると、脳機能由来の変化の埋没、計測信号の飽和が考えられた。そこで本研究では同時計測と単独計測の両方で計測することし、同時計測の際は、遮光布を使用することでEMR-9からの影響をできるだけ低減して実施することとした。 ・さらに、20021年度はタスクの表示方法についても検討を行った。本研究はモニタによりタスクを表示するが、医療スキルをモニタ内で仮想体験可能な手法やCBTを検討した。2022年度の臨床画像を用いた研究段階に向け、タスク表示方法をはじめ、画像観察用モニタやデータ取得のための実験機器の配置や感染拡大対策の準備が出来きた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大防止のため「注視点計測」と「近赤外分光分析法(NIRS)」の同時計測実験の被験者として想定していた学生・医療従事者との接触機会が少なかった。さらに、同時計測時のNIRSデータに注視点計測の影響が明らかとなり、その対策を講じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として「感染対策に十分対応し、被験者によるモニタ上の医療スキル課題・医用画像読影実験を実施する」とする。 読影に際して、室内照度・気温湿度の調整、読影者-モニタ間距離の設定、注視点・NIRSデータ収集実験時の感染拡大防止対策など、安全な実験 環境の構築に努める。なお、2021年度の実績より注視点・NIRSデータ収集実験は、同時計測と単独計測の両方で計測する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大防止のため、学生ボランティア・医療従事者を被験者としての実験実施が十分にできず、学会発表もオンラインとなったことで、謝金や旅費の支出ができなかった。
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Research Products
(2 results)