2020 Fiscal Year Research-status Report
肺動静脈奇形に対する塞栓術後の新たな画像診断:造影剤を使用しない非侵襲的血流評価
Project/Area Number |
20K08002
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
下平 政史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60597821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 基生 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60590982)
富田 夏夫 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60643781)
荒井 信行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60834885)
河合 辰哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70597822)
菅 博人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80789305)
小澤 良之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90569005)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非造影MRA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における研究実施計画書を作成し、研究倫理審査委員会の承認を得た。次に、ファントム実験のための脈動ポンプを購入し、初期実験を行った。この結果、脈動ポンプを使用すれば、肺動脈の血流を十分に再現できることが明らかとなった。ファントムの作成に必要な機材も購入済みであり、今後、どのようなファントムが適切であるかを検証し、ファントム作成に取り組む。ファントムが作成されれば、上記の脈動ポンプと組み合わせ、ファントムの本実験を行う。その後、さらに検証を重ね、ファントムを用いたMRAの撮影実験を行い、至適プロトコールを構築していく。次の段階として、コイルをファントム内に留置し、仮想の塞栓後の肺動静脈奇形モデルおよび再開通を生じた肺動静脈奇形モデルを作成し、再発診断への応用の可能性を検討する。 一方、これまでの経験をもとに非造影MRAのプロトコールを作成・ブラッシュアップし、これまでに3例の肺動静脈奇形の塞栓術前の症例にて撮影を実施した。いずれも問題なく検査を完遂することができた。結果として、造影剤を使用するTime resoloved MR angiography (TR-MRA)との比較では、3例中2例は、非造影MRAの画像はTR-MRAの画像に比し、優位に不良であった。これは、患者の年齢や呼吸状態により息止めが十分に得られず、画質に影響したものと考えられる。一方、残りの1例では、TR-MRAに遜色のない画像が得られた。これにより条件が整えば、非造影でも十分な画像が得られる可能性が示唆された。 今後はファントム実験を進め、至適プロトコールを探るとともに、臨床にて症例集積し、さらなるデータの集積に努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、脈動ポンプを購入し、これを使用した初期実験に成功することができた。 また、臨床でも3例に非造影MRAを安全に施行でき、安全性・実行可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きファントム実験を重ねるとともに、臨床にてデータ集積を続ける。
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Causes of Carryover |
初年度は学会がオンラインとなることが多く、旅費で使用する金額が少なくなった。 現在、実験を継続中かつ臨床での症例集積中である。次年度以降に論文発表、学会発表を予定しており、それに関連して使用する。
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