2021 Fiscal Year Research-status Report
臓器機能情報を用いた新たなオーダーメイド放射線治療技術の開発
Project/Area Number |
20K08005
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
藤田 幸男 駒澤大学, 医療健康科学部, 准教授 (10515985)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 放射線治療 / 放射線肺臓炎 / 有害事象発生予測 / 線量分布最適化 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は放射線肺臓炎の発生リスク低下と高い腫瘍制御率を両立した新しい放射線治療技術を開発することを目的としている。そのために研究期間で特別な設備を必要としない2つの肺機能(肺胞換気能と肺血流量)の画像化手法を確立し、2つの肺機能の情報を使用した放射線治療の線量分布最適化手法を開発する。 2021年度は肺機能の情報を使用した放射線治療の線量分布最適化手法における基盤技術の開発を行った。放射線治療の線量分布最適化には優先的に線量を低下させる領域を特定する必要がある。従来の方法では得られた肺機能画像から得られた機能値が上位何%を線量低下領域として研究が実施されてきた。初期検討として、この方法による最適化を有効性の検討を実施した。これに対し、我々の新しい手法は深層学習技術を応用し、過去に肺がんで放射線治療を実施された臨床データ(線量分布情報および肺機能情報、放射線肺臓炎の発生)を使用してモデルをモデルに学習させて、放射線肺臓炎発生に寄与している領域を特定する手法の開発を行った。このモデルは過去の症例で検証した結果、非常に高い放射線肺臓炎の発生の予測精度を実現できていることが明らかなった。現在、従来の方法と深層学習技術を応用した方法についての比較検討を進めている。これまでに得られた結果からは研究計画通りに期待された成果が得られている。 2021年度も継続して前年度に得られた肺機能画像のための最適なCT撮像法の有効性を共同研究施設で放射線治療を施行される患者さんに対して実施した。本研究での予定登録数 20名であり、2021年度は被験者4名の登録があった。登録された4名の被験者に対してCT画像の取得を行った。前年度とあわせて13名のデータが取得されている。2022年度も継続して肺機能画像のための最適なCT撮像法の有効性を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は肺機能の情報を使用した放射線治療の線量分布最適化手法における基盤技術を開発することを目的としていた。研究実績に示したようにその目的は十分に達成されており、本研究は当初の計画どおりに推進されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初の計画どおりに推進されており、研究計画の変更は必要ない。当初の研究計画に従い、2022年度は2021年度に開発した新しい技術を応用した放射線治療の線量分布最適化手法の開発を継続する。さらに、継続して取得している放射線治療後に取得したCT画像から肺機能の画像化を行い、投与線量と肺機能の変化についての定量評価についても結果を取りまとめて有効性を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
臨床研究で支出予定の20名の被験者に対するCT検査費用を2020および2021年度予算に計上していた。2020と2021年度は登録は13名であり、残り7名分のCT検査費用の繰越しが発生した。臨床研究は継続しており、7名分の予算は2022年度に使用する。
|