2020 Fiscal Year Research-status Report
転移性肝癌に対する陽子線治療後画像変化と治療効果判定方法の研究
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20K08018
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高松 繁行 金沢大学, 附属病院, 講師 (60547173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 転移性肝癌 / 陽子線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年から今までの陽子線治療症例の集積とデータベースの作成を行った。今年度はコロナ禍もあり、関連研究施設である福井県立病院陽子線がん治療センターでのデータ解析において、他県他施設での長期滞在が難しく、治療後経過を電子カルテ上で確認を行う予後調査を中心に行った。予後調査において、治療後腫瘍の局所制御、無増悪生存、全生存期間などのデータ解析を行った。 画像解析については、陽子線治療後1か月、3か月、6か月後にGd-EOB造影MRI画像を撮影していた十数例を解析した。まずは正常肝を背景とした転移性肝癌症例への陽子線治療における周囲肝実質に生じる放射線肝炎変化がどの時期から顕在化してくるのかを解析し、慢性肝疾患を有する肝癌と同じく、陽子線治療後3か月にて顕在化してくることが明らかとなった。そしてその周囲肝実質の限局的な肝炎変化領域の時間経過での体積変化、そしてその局所の放射線肝炎変化への閾線量の解析を行った。照射線量については個々の治療症例で異なるためにEQD2(毎日2Gy照射を行ったと仮定)変換を行ったうえで評価した。 本検討にて、以前に我々が報告した慢性肝疾患での閾値線量と比較し、正常肝臓においては若干閾値線量が若干低い可能性が示唆された。 今後、陽子線治療前と治療後経過画像(CT、MRI)のデータ収集を行いつつ、これら画像における結節内血流評価、MRI 拡散強調像所見や Gd-EOB-DTPA 造影 MRI 所見などの陽子線治療前後の変化を明らかにしつつ、治療効果判定基準として, RECIST, mRECIST, RECICL を用いた治療効果との関係性を評価し、特徴的な転移性肝癌の画像上の変化を把握し、治療効果判定に有用な所見を明らかにするよう解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍もあり、関連研究施設である福井県立病院陽子線がん治療センターでのデータ解析において、他県他施設での長期滞在が難しく、電子カルテ上での予後調査を中心に行った。本来の目的である画像データ収集、画像解析を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は画像解析を中心に行う。陽子線治療前と経過観察で撮像された臨床画像(CT、MRI)のデータ収集を行いつつ、これら画像における結節内血流評価、MRI 拡散強調像所見や Gd-EOB-DTPA 造影 MRI 所見などの陽子線治療前後の変化を明らかにしつつ、治療効果判定基準として, RECIST, mRECIST, RECICL を用いた治療効果との関係性を評価し、特徴的な転移性肝癌の画像上の変化を把握し、治療効果判定に有用な所見を明らかにするよう解析を行う。また症例数が目標に届いていないため、さらに症例を蓄積していく必要がある。
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Causes of Carryover |
コロナ禍もあり、学会参加、旅費での使用が少なかったため。
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