2022 Fiscal Year Research-status Report
転移性肝癌に対する陽子線治療後画像変化と治療効果判定方法の研究
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20K08018
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高松 繁行 金沢大学, 医学系, 准教授 (60547173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転移性肝癌 / 陽子線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究は基本的には令和3年度に行った研究の継続である。 昨年度と同様に2011年からの転移性肝癌に対する陽子線治療症例として、治療後1年経過している症例を収集し、データベースを作成しているが、いまだ目標症例数の100症例には届いていない。予後調査については引き続き電子カルテ上で治療後経過を確認し、経過観察期間の延長に併せて治療後肝転移病巣の局所制御、無増悪生存、全生存期間などのデータ解析・修正を行った。 画像解析については、引き続き転移性肝癌とその周囲肝実質の陽子線治療後のdynamic CT や MRI による治療前後での結節内血流評価、MRI 拡散強調像所見や Gd-EOB DTPA 造影 MRI 所見などの陽子線治療前後の変化について検討を行った。 この結果を2022年放射線腫瘍学会総会にて発表を行った。 陽子線治療を行った転移性肝癌における腫瘍血行動態については、いずれの病巣も治療前と比べて血行動態に変化を認めるが、治療後の局所再発群は治療後経過で早期濃染が持続し、相対的信号強度変化率(RER)は非照射背景肝より高く、局所制御群はRERが非照射背景肝よりも低下する傾向が見られた。本検討により転移性肝癌は陽子線治療後に血行動態が変化し、動脈相の染まりが減弱することが局所治療制御と関連する可能性が示唆された。 今後も引き続き症例数を増やし、解析データ収集を行いつつ、これら結果と治療効果判定基準を用いた治療効果との関係性を評価し、特徴的な転移性肝癌の画像上の変化を把握し、治療効果判定に有用な所見を明らかにする。研究を通じて得た結果は、国際学会含めて学会で発表し、また論文化して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数が少ないこと、かつ国際学会にて未発表、かつ論文作成の遅延のため
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目標症例数である100症例に届いていない状況であり、症例数を増加させ、かつ昨年度国内学会で発表した結果を国際学会で発表しつつ、論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における研究進展遅延による英文作成が遅れており、これの費用の持越しのため
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Research Products
(1 results)