2023 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を活用したドパミン機能画像によるシヌクレノパチー早期診断システムの確立
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20K08021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 洋人 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (20617352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (20845599)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DAT SPECT / parkinson disease / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
DAT-SPECTはパーキンソン病を含むパーキンソニズムの臨床評価に使用されている。一方、その画像から得られる情報としてはその集積の範囲の視覚評価や集積の程度のSBRなどの定量値など、限定的な情報収集と使用にとどまっていると考える。 我々は当院で収集されてきた1500件以上のデータから、臨床評価とは独立した情報を得るべく人工知能による変分オートエンコーダ(VAE)を教師なし学習として使用し、パーキンソン病(PD)患者の重症度との相関性を調べ、臨床上有用なパラメータが得られるかを検討した。 結果として、VAEに検証データを入力したところ、視覚的に入力画像と類似したものが得られた。主成分分析の結果、2 つの成分は、(1) 線条体への集積の強さ、(2) 線条体の形状と相関していると推定された。重症度が 2 以上の患者のデータは、(1)集積が弱く、(2)萎縮が進んでいるエリアにプロットされる傾向が見られた。 導かれる結論としてはVAE により線条体集積の視覚的なパラメータにおいてPD患者の重症度に関連した変化がみられた。DAT スキャンにおける人工知能を用いたPD重症度の自動評価に応用できる可能性がある。 臨床的意義としては、主観評価になりがちな臨床評価スケールとは独立した解析手法によりパーキンソニズムの重要度評価に有用とされるパラメータ候補の特定ができたと考えている。成果を2023年度の日本神経放射線学会で報告を行った。 現在はさらに解析精度を上げるべく、大元となるDAT-SPECT画像データの精度向上の工夫などを行っている。また論文化と国際学会への演題投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工知能の機械学習を行うに際し、検証となめの多数の症例の臨床情報を収集する必要があるため、この点に関してはやや時間を擁している。 解析環境などは現状問題なく進めることができている。 DAT-SPECTの画像データの精度を向上するうえで、投与した薬剤量に対して患者の体重情報を得て画像の対象領域の薬剤集積の程度の補正を行う必要がある。その手法はすでに確立しているが、体重情報の収集にやや時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
DAT-SPECT画像の精度向上とそれによる人工知能をを用いた研究手法、方針はすでに決まっており、上記の通り論文化と国際学会(ISMRM: 国際磁気共鳴学会)への演題投稿を本年度中に行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
論文掲載費や国際学会への出張費が必要と考えられる。
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