2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the transparent, lightweight and flexible radiation detector and real-time imaging of the two-dimensional dose distribution
Project/Area Number |
20K08036
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
石井 聡 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (90442730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 直也 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (30553515)
小西 輝昭 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, グループリーダー(定常) (70443067)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線検出器 / 2次元イメージング / センサアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究では紫外線(UV)照射に対するポリエチレンテレフタレート(PET)シートの発生電流が数百pAと小さいことを確認し,放射線の照射に対しても信号/ノイズ比が小さくなることが予測された.これに対して令和3年度は,大きな発生電流を得るために有機半導体のひとつであり放射線照射による効率的な電流の発生が報告されているTIPSペンタセンの薄膜をPETシート表面に成膜し,その上にカーボンナノチューブ(CNT)薄膜電極を形成して検出器を作製する方針に変更した.PETシートは基板として利用するとともにTIPSペンタセン薄膜の厚さを薄くすることで,引き続き本研究の特徴であるフレキシブル性と透明性を兼ね備えた検出器を作製するようにした. 前年度に引き続きコロナの影響で予定回数の放射線照射実験を実施できなかったため,作製した検出器に対して放射線の代わりにUVを照射し電気特性を測定した.その結果,電気応答とともに発生電流が数~数十nAあることを確認し,ペンタセン薄膜を組み合わせることの優位性を実証した. 一方でイメージング検出器の作製にも着手し,メタルマスクを介したTIPSペンタセン及びCNTのスプレーコーティングによるCNT薄膜/TIPSペンタセン薄膜/CNT薄膜の3次元構造をもつセンサアレイのパターニングを実施した.また,イメージングシステムの構築にも着手し,センサアレイを構成する個々の検出部から発生電流を順次読み出すためのプログラムを作成した. 研究期間を通じてX線照射を1度実施する機会が得られたため,次年度の実験に向けて電気特性測定で使用する照射チャンバー内のX線線量測定を実施した.研究で使用する線量率を得るために必要な線源-検出器間距離,加速電圧及び管電流などの照射条件を決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により昨年度に引き続き外部実験施設の利用が制限され,放射線照射実験を計画通り実施できなかった.基礎特性に関するデータの収集が不十分ではあったが,前倒しでイメージング検出器の試作に着手した.検出器の作製プロセスは構築されつつあり,放射線照射に対して試作した検出器の電気応答の有無を確認する段階にある.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度はメージング用検出器を完成させて放射線照射に対する電気応答を確認する.また,センサアレイの電気応答を順次読み出すプログラムを完成させ,検出器と組み合わせて放射線のリアルタイム2次元イメージングシステムを構築しその動作を実証する.空間分解能及び応答時間といったシステムの基礎特性を評価し,今後の性能向上に向けて必要な知見を得る.
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