2021 Fiscal Year Research-status Report
Reverse translational research for imaging astrogliosis
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20K08043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 龍一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60735455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PETプローブ / アストロサイト / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまでに研究代表者らが開発したアストロサイトに多く発現するモノアミン酸化酵素B(MAO-B)に対する選択的なPETプローブ[18F]SMBT-1のリバーストランスレーショナルリサーチを実施し、臨床研究で使用していくための技術的基盤を確立することを目的とする。[18F]SMBT-1(S体)には不斉炭素があり、光学異性体が存在する。そこでトレーサーの性能(結合性、薬物動態、代謝)に与える光学異性体の効果について検討した。[18F]SMBT-1のR体を合成し、S体([18F]SMBT-1)と比較した。その結果、S体はR体と比較して高いMAO-Bに対する結合性を示し、MAO-Aとの結合選択性においても優れていた。また、マウスを用いた薬物動態評価の結果、S体はR体と比較してクリアランスが速く、生体内においてS体がR体に変換されることはなかった。代謝物解析の結果、代謝の責任酵素は硫酸転移酵素(SULT)であり、阻害剤を用いたサブタイプの探索からSULT1A1が主にその役割を担っていることが明らかとなった。また、非ステロイド性抗炎症薬のメフェナム酸はSMBT-1の硫酸抱合化を強く阻害することから、薬物動態に影響を与える可能性があるため[18F]SMBT-1 PETを実施する際の内服は避けるべきだと考えられた。さらに、SULT1A1にはSNPsがあることが知られているが、主要なSNPsにおいてはSMBT-1の代謝に影響を与える可能性は低いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[18F]SMBT-1の光学異性体を検討することにより、代謝責任酵素、薬物間相互作用、SNPsの影響について明らかにすることができ、[18F]SMBT-1を臨床研究で使用していくための技術的基盤を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
[18F]SMBT-1の臨床研究での適応を拡大すべく、神経変性疾患等の病理標本を用いた解析を進め、[18F]SMBT-1の有用性を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターのRI棟の改修工事のため、今年度の秋頃まで施設を使用することができず、18F標識化合物を用いた実験ができなかったため、次年度に使用額が生じた。次年度の使用計画は、施設の優先使用費、18F標識化合物の必要な消耗品(溶媒、カラム、合成試薬等)として使用する。
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Research Products
(24 results)