2022 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた心拍出量予測およびそれに基づく造影CTプロトコルの最適化
Project/Area Number |
20K08051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
立神 史稔 広島大学, 病院(医), 講師 (90411355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心拍出量 / 深層学習 / 心臓CT |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は心臓CTの造影検査前に得られる患者情報(年齢・性別・身長・体重・CT検査時の心拍数・心胸郭比、患者の腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧)から、心係数を推定できるかどうかを後ろ向きに検討した。しかしながら精度は68%と低かったため、今年度はCTの位置決め撮影で得られたスカウト画像に対して深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)を用いてStroke volumeの推定を試みた。対象は、心機能解析のためにprospective scanにて1心拍撮影が施行された87症例で、スカウト画像(正面および側面)と患者の心拍数、身長、体重を入力データとして使用し、1心拍分の心臓CTデータから算出されたStroke volume (mL) を回帰問題として推定するネットワーク構造を構築した。ネットワークはVGG16をベースに構造探索を行って14層のDCNN(畳み込み層11層、全結合層3層)に最適化した。学習方法は、87症例を11グループに分けて、9グループを学習、1グループを検証、1グループを評価に使用し、グループ単位でleave one out法により、交差検証を行った。その後、Stroke volumeを3つのカテゴリー(< 60mL、60 - 90mL、> 90mL)に分類し、分類精度を検討した。測定されたStroke volumeの値とDCNNによって予測された値の間には、中程度の正の相関を認め(r = 0.475、p < 0.05)。DCNNによる分類精度は70.1%と前年度より向上したが、臨床での使用には不十分と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DCNNによるStroke volumeの分類精度は昨年までの結果よりも改善したが、現時点では臨床での仕様には不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
スカウト画像を使用することは分類精度の改善に寄与することが確認できた。今後は幅広いStroke volumeの値を有する症例を200例程度追加し、再度ニューラルネットワークのトレーニングを行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延により、2023年3月に参加予定であった欧州放射線学会および3つの国内学会への現地参加が出来なかったため。2023年度に当該学会に参加することとする。
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