2023 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌術後照射患者における免疫チェックポイント分子機構の予後への影響
Project/Area Number |
20K08055
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
白井 克幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (10400748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 佳子 自治医科大学, 医学部, 助教 (00835960)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 前立腺癌 / 免疫染色 / 免疫チェックポイント分子機構 / X線治療 / Cribriform pattern |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は術後放射線治療を施行した患者検体を用いて免疫チェックポイント分子機構による予後への影響について明らかにする研究をおこなった。前立腺癌の術後患者において放射線治療を行う技術はすでに確立されているが、手術検体を用いて予後因子を確立する研究手法はほとんど報告されていない。また、免疫チェックポイント分子機構の探索は前立腺癌術後放射線治療の症例での報告は皆無である。 2010年から2020年までに術後放射線治療を施行した50症例を対象とした。放射線治療は64Gy 32分割が用いられた。放射線治療後の観察期間中央値は31ヶ月であった。前立腺癌死は0例であり、18例で照射後のPSA再発を認めた。手術検体を用いて免疫染色を行い、免疫チェックポイント分子機構(PD-L1, PD-1)含め、その他様々な予後因子となる蛋白の発現を検討したが(MCU1c, NKX3.1, SOX9, Pax2, Synaptophysin, GRP, ETV1, YAP, TAZ, ERG, PTEN, VAV3, PAK1)、いずれも照射後のPSA再発の予測因子ではなかった。病理組織学的特徴であるCribriform patternは、唯一PSAの再発率に影響を与える因子であることを突き止めた。Cribriform patternがSevereの症例は、None-Moderateの症例に比べて、有意差を持ってPSA再発率が高かった(75.0% vs 15.6%, P=0.001)。 術後PSA再発に対する放射線治療において、Cribriform patterは照射後の再発予測因子として有用であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)