2022 Fiscal Year Research-status Report
放射線照射された細胞の有・低酸素環境への適応機構の解明
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20K08065
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
劉 翠華 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 主任研究員 (00512427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 亮一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 主幹研究員 (90435701)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低酸素培養 / miRNA array / 放射線 / Fold change / ダウンレギュレート / アップレギュレート / 高LET炭素線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体内の低酸素環境を模擬した実験系において、培養した細胞のmiRNAの発現により、低酸素環境で培養した細胞の放射線抵抗性や染色体異常頻度の低減に関するメカニズムをmiRNAレベルで明らかにすることを目的にしている。miRNAは、遺伝子発現を抑制する効果を持つ21~25塩基程度の一本鎖RNAで,タンパク質の翻訳や生産量の制御遺伝子発現の自然調節を役割とし、すべての細胞プロセスに影響を与えていることが報告されている。 マウス腎臓初代培養細胞及びヒト脳腫瘍細胞U87を用い、X線や高LET炭素線で照射し、照射された細胞を1%、3%、21%酸素濃度環境で培養し、細胞から抽出したmiRNAの網羅的解析を行った。その結果、マウス腎臓初代培養細胞は照射後の低酸素環境で培養した細胞のmiRNA Fold Changeは、常酸素環境(21%酸素)で培養した細胞を基準に2倍以上アップレギュレートしたmiRNAと0.5倍以下にダウンレギュレートしたmiRNAが数多く検出された。また、マウス腎臓初代培養細胞は照射の有無に関わらず、U87細胞より低酸素環境下で変動したmiRNAが数多く見られた。常酸素環境と比較すると、1%低酸素濃度環境ではmiRNAの変動数は3%の環境よりも多かった。一方、U87細胞では、変動したmiRNA数は少なく、酸素濃度の違いによる影響はマウス腎臓初代培養細胞より小さいことがわかった。また、照射した細胞と同じ酸素濃度環境で培養した非照射細胞を比較すると、両細胞とも0.5倍以下にダウンレギュレートしたmiRNAが数多く見られた。 これらの結果から、マウス腎臓初代培養細胞はヒト脳腫瘍細胞U87より酸素濃度の影響を受けやすい事が明らかになった。今後、発現頻度が大きく変化したmiRNAについての機能解析を行い、低酸素ストレスや放射線被ばく影響の関連性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二種類の細胞をX線や高LET炭素線照射後、異なる酸素濃度環境で培養し、細胞からのmiRNAを含むトータルRNAを抽出し、miRNAサンプルをGeneChip miRNA Arrayを使用して網羅的なmiRNA解析を行った。しかし、miRNA数が多いため、データの総合的な解析ならびに解釈に予想をうわまわる時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
今まで得られた結果を基にして、低酸素に反応して大きな変動が見られたmiRNAについての機能解析に着手し、染色体修復や細胞増殖などの致死損傷に関連するmiRNAとの相関性を明らかにする予定である。さらに特定したmiRNAのmimicあるいはinhibitorを用いて、細胞の生死にかかわるかどうかについて検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大防止のため、出張の数が減少し、一部オンラインでの学会参加になったため、旅費に計上した費用が残った。また解析に必要な試薬類の一部で納品に遅延が生じたため、研究の進捗が遅れると共に実験費用が未使用となっていた。研究期間を延長した。今年度は注文できなかった消耗品と試薬を早急に注文するとともに、データの解析を進め学会発表を積極的に行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Fluorescence in situ hybridization analysis of chromosomal aberrations in mouse splenocytes at one- and two-months after total body exposure to iron-56 (Fe) ion particles or X-rays2022
Author(s)
Katsube Takanori , Wang Bing , Tanaka Kaoru , Ninomiya Yasuharu , Hirakawa Hirokazu , Cuihua Liu , Maruyama Kouichi , Guillaume Vares , Qiang Liu , Murakami Masahiro , Nakajima Tetsuo , Fujimori Akira , Nenoi Mitsuru:
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Journal Title
Mutation Research/Genetic Toxicology and Environmental Mutagenesis
Volume: 882
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Enhanced Effects of Chronic Restraint-Induced Psychological Stress on Total Body Fe-Irradiation-Induced Hematopoietic Toxicity in Trp53-Heterozygous Mice2022
Author(s)
Wang Bing , Katsube Takanori , Tanaka Kaoru , Ninomiya Yasuharu , Hirakawa Hirokazu , Cuihua Liu , Maruyama Kouichi , Murakami Masahiro , Nakajima Tetsuo , Fujimori Akira , Nenoi Mitsuru
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Journal Title
life
Volume: 12(4)565
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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