2023 Fiscal Year Annual Research Report
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20K08095
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
小牧 裕司 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 室長 (10548499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 安静時機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は、”精神・神経疾患を対象とした薬効評価試験のためのresting state functional connectivity Magnetic Resonance Imaging(rs-fc MRI)を確立すること“を目的とする。そのために、中枢神経系作用薬投与前後の脳活動ネットワークをrs-fc MRIを用いて全脳網羅的に解析する。中枢神経系作用薬が脳活動ネットワークへ与える影響を明らかにするとともに、新薬開発における標準対照群データセットとして将来的に活用することを目指す。 統合失調症は成人の有病率が約1%とされる普遍的な精神疾患の一つであり、その発症機序は不明である。統合失調症の病態には未解明な点が多く、ドパミン仮説が存在する。陽性症状は中脳辺縁系のドパミン作動性神経機能の亢進に関連しており、陰性症状および認知障害は中脳皮質系のドパミン作動性神経機能の低下に関連していると考えられる。また、抗精神病薬の副作用としてもドパミン神経系が関与しており、それらの病態や薬物作用の発現における脳全体の把握が重要となる。 2023年度は2022年度に引き続き、統合失調症モデルマウスを対象にMRIコネクトーム解析を行い、病態解明や抗精神病薬の作用機序解明に取り組んだ。コントロール群、統合失調症モデル群、治療薬投与群の3群を対象として、全脳ネットワークの評価を行なった。ネットワーク全体の特徴量の比較では差が見られなかったが、前頭皮質、側坐核、線条体など特定の領域に限局した変化を捉えることができた。今後より詳細なかつ定量的な解析を実施し、成果報告を予定している。
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