2022 Fiscal Year Annual Research Report
放射性金属を用いた包括的な腫瘍診断・治療薬剤の開発研究
Project/Area Number |
20K08102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北村 陽二 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (10368483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30347471)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射性医薬品 / ポルフィリン / 金属 / 錯体 / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金属との結合が非常に速い八臭素化ポルフィリン誘導体に着目し、新規「放射性金属-八臭素化ポルフィリン錯体」を開発し、腫瘍診断・治療薬剤への応用の可能性を明らかにすることを目的として検討を行った。八臭素化ポルフィリン誘導体として、負電荷を持つOctabromotetrakis (4-carboxyphenyl) porphine(OBTCPP)を選択し、放射性金属である111Inで標識した111In-OBTCPPに関して、肺癌のイメージング剤としての可能性を検討した。KLN205細胞(マウス肺由来扁平細胞腫)をBALB/cマウスに移植することで担癌マウスを作製し、実験に用いた。111In-OBTCPPを尾静脈から投与し、投与24時間後にSPECT(単一光子放射断層撮影)-CT(コンピューター断層撮影法)の撮像を行った。111In-OBTCPPの担癌マウスでの画像を検討した結果、111In-OBTCPPは、骨への放射能集積はほとんど認められなかったが、肝臓や脾臓、腎臓に高い集積を示し、腫瘍への集積はほぼ認められなかった。この結果は、111In-OBTCPPは、マウス体内へ投与後も、脱金属を起こさず、標識体のまま体内に存在していることを示唆している。また、腫瘍への集積がほぼ認められなかった原因としては、腫瘍の成長が不十分な担癌マウスを用いたことが考えられ、再度の検討が必要と考えられる。
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