2022 Fiscal Year Annual Research Report
Targeted alpha therapy for patients with tumor
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20K08105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白神 宜史 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00560400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 加珠子 (中島加珠子) 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00533209)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アスタチン / 211At / α線 / 核医学治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規211At標識アミノ酸誘導体(211At-XAMT)の創薬に成功した。211At-XAMTは、ボロノ基を導入した前駆体(Borono-XAMT)を原料として、ヨウ化カリウム存在下で211At水溶液を添加することにより、温和な条件下で高い合成収率が得られた(合成収率>80%)。更に、同標識体を含む反応液を固相抽出カートリッジ(Oasys HLB)に捕集・溶出したところ、高純度の精製物が得られた(放射化学的純度>95%)。Xは水酸基又はメトキシ基である。以上の成果について特許を出願した(2022年9月)。 211At-XAMTは、中性型アミノ酸トランスポーター(LAT1)を発現するがん(乳がん、肺がん等)の治療に有用と期待される。そこで、細胞実験及び動物実験により生物学的評価を実施した。その結果、211At-XAMTはLAT1に親和性があり、かつ特異的にがん細胞に取り込まれることを確認した。また乳がん移植マウスに211At-XAMTを投与したところ、腫瘍の増殖抑制効果が示された。特に化学療法に対して治療抵抗性(薬剤耐性)を示すがん細胞株では、211At-XAMTのがん細胞内滞留性が増加し、より一層の治療効果が認められた。本効果は、チロシンキナーゼ類に対して211At-XAMTが立体障害を示すためと推測している。今後は、臨床試験に用いるのに最適な化合物を選択すべく、スクリーニング実験を進める予定である。 並行して、前立腺がんの治療を効能とする211At標識ペプチド化合物2種類を新たに合成した。そのうち211At-PSMA8は、前立腺がん(LNCaP)移植マウスの腫瘍に高集積すること(>20%ID/g)および腫瘍の増殖抑制効果を確認した。本技術はPCT出願した(2022年7月)。
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