2022 Fiscal Year Annual Research Report
血液リキッドバイオプシーによる子宮頸癌放射線治療後の遺残・再発のモニタリング
Project/Area Number |
20K08106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
礒橋 文明 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00448036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉利 慶介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30718995)
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / リキッドバイオプシー / Human papillomavirus |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸癌のほとんどでヒトパピローマウイルス(HPV)が発癌に関わっていることから、子宮頸癌細胞のがんゲノムに組み込まれているHPV-DNAを血中のcfDNAから 検出し、子宮頸癌放射線治療後の再発のモニタリング方法となりうるかを検証することを目的とし、本研究を開始した。根治的放射線治療を行う子宮頸癌患者のうち、研究計画について説明のうえ、同意を頂いた患者の血液サンプルを回収した。令和2年度では登録が順調で30例の血液サンプルを回収することができたが、治療後のフォローアップ採血については回収例は10例ほどにとどまった。また、新型コロナウイルス感染症に伴い、4-6月に学生の登校制限があったことと、実験機材の入手が遅れていることから、解析については若干遅れが生じた。令和3年度に検討したこととしては血漿量とcfDNAの回収量がある。cfDNAの収量について、血漿600ulと4mlで比較すると血漿を増加させることで収量が上昇することがわかった。これにより、子宮頸癌患者において血中のcfDNAからHPV-DNAを検出することがしやすくなり、子宮頸癌の患者の血中HPV-DNAの検出をデジタルPCR法で行った。特に、HPV16型、18型の2つをマルチプレックス解析による同時検出を行ったが、その結果HPV-DNA の検出が当初の想定より、難しいことが明らかとなった。最終年度の令和4年度には、放射線治療前にHPV-DNAが検出可能であった症例について、治療前後でのその血中濃度の比較検討を行った。当初の想定では治療後に腫瘍が縮小した症例ではHPV-DNAの濃度が下がり、治療後すぐに再発した症例では上昇すると考えていたが、治療前後で明らかな変化がなかった。以上のことから、少なくとも我々の実験では、血中HPV-DNAの検出により子宮頸癌の新しい再発のモニタリング方法を確立することができなかった。
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