2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習と多層検出器CTを用いた食道癌におけるがん周囲微小環境の定量的画像解析
Project/Area Number |
20K08112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西牟田 雄祐 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10635220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 教授 (20457427) [Withdrawn]
浅山 良樹 大分大学, 医学部, 教授 (40380414)
甲斐 聖広 九州大学, 大学病院, 医員 (50848645)
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 助教 (90419565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道癌 / 機械学習 / 多層検出器CT / がん周囲環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、進行食道癌に対する化学療法や化学放射線療法に抵抗性を示す原因として、がん周囲微小環境が注目を集めている。本研究の目的は、多層検出器CT画像をもとに機械学習を併用して食道癌におけるがん周囲微小環境を定量的に解析し、治療法選択や予後予測の指標となる新たなイメージングバイオマーカーを確立することである。本年度までに申請者らは153例の食道癌治療前症例に対して、多層検出器CTによる造影CT検査を施行し、各症例の臨床情報、病理所見、画像所見などのデータベース構築を継続して行っている。さらに、術前化学療法後に外科的切除術を施行し、病理組織学的治療効果判定が可能であった食道癌37症例を対象として、治療前の画像所見と切除標本における病理学的治療効果との関連について初期調査を行った。治療前の多層検出器CTより得られた各パラメータ(CT値、ヨード密度、Z値、電子番号)と病理学的治療効果の間には有意な相関は見られなかった。この間、論文や学会報告などの情報の収集、関連する症例報告を行った。食道癌治療における化学療法や化学放射線療法の重要性、治療抵抗性を予測するイメージングバイオマーカーの臨床的重要性は現在も変わりなく、本研究の継続の必要性・妥当性を再確認した。今後は引き続き症例の集積を行うとともに、当初の予定通り機関学習を併用したデータ解析を開始する。また、食道癌のがん周囲微小環境、特に線維性間質を構成するがん関連線維芽細胞と画像パラメータとの関連についても解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行に対する院内対応のため、一部の病棟閉鎖や患者数の減少、内視鏡治療件数や手術数の減少、化学放射線治療件数の減少などが重なり、解析症例の蓄積に時間を要している。また、重複がん症例や過去の治療歴などから、本研究対象として不適格となる病変も多く、解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例の集積を行うとともに、当初の予定通り機関学習を併用したデータ解析を開始する。治療前の多層検出器CT画像のデータ解析、切除症例においては病理組織学的所見、病理学的治療効果との相関、放射線化学療法症例においては治療前後での病変縮小程度や予後との関連について解析を続ける。機械学習を併用し、術前治療の効果予測や予後予測に有効なテクスチャ/Radiomics特徴の探索を行い、従来行われてきたCT画像による定量的測定法との比較を行う予定である。さらに、食道癌のがん周囲微小環境、特に線維性間質を構成するがん関連線維芽細胞に関する解析も開始予定である。また、これまでの成果を国内・国際学会にて発表し、論文化を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行の伴い、通常通りのスケジュールで研究の進行ができていない。また、学会参加ができず、旅費の使用がなく、次年度使用額が生じた。次年度ではこれまでの成果を国内・国際学会にて発表し、論文化および投稿を進めていく予定である。
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