2023 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症が子宮筋層にもたらす影響:MRIによる灌流、拡散、蠕動、硬度の検討
Project/Area Number |
20K08116
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高畑 暁子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80723684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北脇 城 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00204925) [Withdrawn]
森 泰輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00569824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子宮筋層 / 拡散強調画像 / MRエラストグラフィー / cine MRI / 子宮内膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子宮内膜症患者の子宮筋層に生じている変化を MRI を用いた詳細な画像解析により多角的に評価し、子宮内膜症性不妊及び疼痛に対する効果的な治療方法選択指針を構築することである。拡散強調画像を用いた灌流と拡散の評価、硬度の評価、cine MRI による蠕動の評価を行い、子宮内膜症患者と非内膜症患者の対比、子宮内膜症患者の治療前後での対比、疼痛や不妊といった臨床症状との対比を行う。 子宮筋層の硬度の評価に関して、当初は拡散強調画像を用いた virtual elastography の手法を確立するためにファントム実験との対比を行う予定で初年度にファントム実験を行った。安定したファントムを作成するため、材料の検討や作成手法の改良を試みたが、納得のいくファントムの作成には至らなかった。その頃、当院に MRエラストグラフィーの専用装置が導入されたことから当初の計画を変更し、拡散強調画像を用いた virtual elastography と MR エラストグラフィーの検査を連続して行い、これらの結果を比較検討することとした。まずは正常ボランティア20例を対象としてこれらのMRI 撮像を行い、解析を開始したところ、膀胱内の尿量が結果に影響を及ぼす可能性が考慮され、検査時の条件を合わせる必要性が判明した。 Cine MRI は子宮内膜症患者、及び対照群として子宮内膜症以外の卵巣嚢腫ならびに早期の子宮頸癌患者を対象として撮像を行っている。子宮筋層の蠕動に関して、左右差や頻度、方向と MRI 検査時点での月経周期、子宮内膜症の有無との相関を検討するために引き続き症例蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子宮筋層の硬度、弾性度の評価方法を確立するため、健常ボランティア10名を対象として増殖期、分泌期に拡散強調画像を用いた virtual elastography 及び専用装置を用いたMRエラストグラフィーを実施した。計20例の MRI検査の解析を開始したところ、膀胱内の尿量が結果に影響を及ぼす可能性が疑われた。 子宮筋層の蠕動評価のための cine MRIは引き続き症例蓄積中である。 家庭の事情により休暇を取ったため、少し遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮筋層の硬度、弾性度の評価について、健常ボランティア10名20例の MRI 検査の検討にて膀胱内の尿量の影響が疑われるため、条件をそろえて10例程度の追加撮像を行い、拡散強調画像を用いた virtual elastography と専用装置を用いたMRエラストグラフィーの結果を解析し、それぞれの長所や短所を検討する。これを基に、内膜症患者を対象とした子宮筋層機能の解析方法を検討し、撮像を行う。 Cine MRI に関しては引き続き症例の蓄積を行う。
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Causes of Carryover |
一部の物品購入を行わなかったため。また、学会参加がオンラインのみのため旅費が不要となったため。 MRIボランティア追加撮像のための謝金、データ解析に必要なソフトウェアの購入、研究成果発表のための学会参加費及び出張旅費、また論文発表のための英文校正等の費用に使用する予定である。
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