2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a method for predicting bone marrow suppression after I-131 MIBG treatment using flow cytometry
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20K08128
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
若林 大志 金沢大学, 附属病院, 助教 (60622818)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被ばく / リンパ球障害 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
外照射実験ではマウス(BALB/cCrSlc)を用いてin vitro、in vivo実験を実施した。In vitroの外照射実験では、末梢静脈血試料に0.1 Gyから2.0 Gyの放射線を照射した。リンパ球はCD4/CD8/B220で染色し、DNA2重鎖切断の指標となる分子マーカーであるphosphorylated histone variant H2AX(γ-H2AX)の発現量はフローサイトメトリーを用いて平均蛍光強度(MFI)値で定量的に評価した。In vivoの外照射実験では、マウスを7群に分け、0.1 Gyから1.5 Gyの全身照射を行なった。照射後、0日目、3日目、7日目に血液を採取した。MFI値の時間的変化と線量に関連した変化を評価した。In vitroおよびin vivoの外照射実験では、CD4、CD8、B220リンパ球のγH2AX発現量は放射能依存的に増加した(P<0.001)。In vivo実験では、3日目と7日目のγ-H2AX発現量に実験群間の有意差を認めなかった。 内照射実験では、マウスにI-131ヨウ化ナトリウム溶液(74MBq)を腹腔内投与し、1時間後、3時間後、24時間後に採血を実施した。血液吸収線量を推定し、γH2AX発現量を評価した。血液への低線量被ばくにより、1時間後にリンパ球のγ-H2AX発現が誘導され、3時間後に発現が減少した。3時間後と24時間後のγH2AX発現量に有意差を認めなかった。 外照射による被ばくのダメージは吸収放射線量と正の相関があり、リンパ球への放射線障害は3日で回復した。血液への低線量内照射ではリンパ球障害が少なく、その回復過程は約24時間であることを確認した。簡便なフローサイトメトリーによる評価法は、放射線によるリンパ球障害を効果的、定量的に評価できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎実験の結果から外照射、内照射による放射線リンパ球障害をフローサイトメトリーで評価できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の内照射実験によるリンパ球障害の最適観察タイミングが予想よりも早期であった。 内照射実験でマウスへの照射線量を変化させてリンパ球障害の最適観察タイミングを確認する。 大学院生とともに基礎実験を実施することで実験を推進させる。 基礎的検討を終了した後に臨床試験を開始する。
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