2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of margin-less adaptive radiotherapy for patient organ deformations
Project/Area Number |
20K08132
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
椋本 宜学 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (50736618)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高精度放射線治療 / 適応放射線治療 / 医学物理 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、難治性である進行がんにおいて問題となる腫瘍およびリスク臓器の治療期間内の非剛体性変化に対して高品質に適応させる高精度放射線治療システムを開発することである。難治性である進行がんにおいては、放射線感受性の高いリスク臓器が標的に広範囲に近接することが多く、体内の非剛体性変化に対して拡張領域であるマージンを付与するため空間的に線量を増加したい領域と低減したい領域が重複する。本研究は、回転型強度変調放射線治療において、初期治療計画を単純化し、日々の非剛体性変化に対して直接適応させることで、拡張領域を排除した新たな高精度放射線治療システムを開発する。 今年度は研究施設の異動により、新たに高磁場MR画像誘導即時適応放射線治療が可能な高精度放射線装置を導入した。高磁場MR画像誘導即時適応放射線治療における、患者体内の非剛体性変化に高品質に適応するIMRT治療計画を作成し、非剛体性変化に対する治療計画の適応の有用性に関して評価した。高磁場MR画像は軟部組織のコントラストに優れ、患者体内の非剛体性変化に対し、高品質に治療計画を適応させることが可能であることを明らかにした。 来年度は、高磁場MR画像誘導即時適応放射線治療装置を用いた治療ならびに臨床試験を予定しており、院内倫理委員会の審査を経て、高精度放射線治療のデータ蓄積と解析が可能になったため、蓄積した症例の日々の非剛体の体内構造変化に対し、照射野形状最適化時のMLC照射野形状の単純化、全放射線出力の低減による照射野の統合を考慮して最適化を行ったVMAT計画を適応させる治療法の開発に取り組んでいく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究施設の異動により、新たに高磁場MR画像誘導即時適応放射線治療が可能な高精度放射線治療装置を導入した。高磁場MR画像誘導即時適応放射線治療では、軟部組織に対して高コントラストな体内画像が得られるため、高品質な即時適応放射線治療が可能になる。院内倫理委員会の審査を経て、高精度放射線治療症例に対する画像データの蓄積およびデータ解析が可能になった。今後、蓄積した臨床例に対して高精度画像誘導放射線治療システムを開発し、有用性を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は非剛体性変化に高品質に適応するVMAT治療計画作成法を開発し、適応後のVMAT計画に対して、治療計画装置を用いた線量分布の検証と実測による品質保証結果の比較を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた国際学会での最新の研究開発状況の情報収集が困難になった。来年度、新型コロナウイルス感染症の流行が収まった時点で実施予定である。現地での情報収集が難しい場合は、オンラインで実施することで、その際に得られる最新の研究開発情報や議論で得られる知見に関して今後の開発に利用することが可能であるため、研究開発が推進されることが期待される。
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