2020 Fiscal Year Research-status Report
肝動脈塞栓術後のガン微小環境におけるマクロファージ極性制御に基づく新規治療戦略
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20K08133
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上嶋 英介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40645561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
児玉 大志 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20422834)
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90622027)
村上 卓道 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20252653)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝癌 / 腫瘍関連マクロファージ / TGF-β1 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の肝癌細胞(Huh7, HepG2, N1S1, Rh7777)を用いてin vitro研究を開始した。常酸素・低酸素培養下でそれぞれの細胞の生存率、TGF-β1産生能の評価をELISAを用いて行った。いずれの肝癌細胞でも低酸素培養下でTGF-β1の増加が見られた。これら4種の肝癌細胞の内、Ratへの移植に最も適したN1S1細胞に蛍光(cherry)と発光(luciferase)タンパクを共発現する遺伝子導入を行い、低酸素培養下での生存および蛍光・発光の有無を確認した。 同肝ガン細胞株をRatの肝臓に移植し、同種移植肝癌モデルを作成した。腫瘍移植後7日目に頸動脈より細経のマイクロカテーテルを挿入し、肝動脈を選択し、破砕したゼラチン物質にて腫瘍動脈の塞栓術を行った。さらに1週間後にIVISにて腫瘍壊死および残存組織の発光をIVISにて確認した。その後、Sacrificeを行い、肝癌移植・辺縁部をまとめて摘出し、組織切片を作成、免疫染色を行った。CD68およびCD206抗体による免疫染色にて、M1型の炎症性マクロファージとTGF-β1産生細胞が集積する腫瘍関連マクロファージの多寡を評価した。動脈塞栓群では、CD68陽性マクロファージの増加が顕著に見られ、CD206陽性の腫瘍関連マクロファージ様の染まりも多数に見られた。同様に動脈塞栓群では腫瘍壊死の辺縁部にTGF-β1の発現が多く見られ、CD206陽性マクロファージによる影響が示唆された。同実験系を用いて、動脈塞栓群に加えてCSF1R投与およびFGF19/FGF4R阻害作用を有するLenvatinib投与も併用し、同様の解析を行った。CSF1R投与群ではマクロファージの集簇像やCD206/CD68比に大きな変化が見られなかったが、Lenvatinib投与群ではCD206 /CD68陽性マクロファージが低下することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19による緊急事態宣言の影響で、2020/4-6まで研究施設に立ち入ることができず、実験の開始時期が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、最も難渋すると考えられていた遺伝子導入細胞の確立、および動脈塞栓群術の実験系の安定が得られており、数ヶ月の遅れは徐々に解消すると考えている。今後はMicroarrayにて網羅的に解析を行い、TGF-β1を含め肝動脈塞栓術後に特徴的なマクロファージの極性関連遺伝子を選定する。 それぞれのsiRNAを設計し、マクロファージに効率的に遺伝子導入し、これらのsiRNAが各標的遺伝子を発現抑制しているかをwestern blotとreal-time PCRにて確認する予定である。更に、選定したsiRNAがin vivoで抗腫瘍効果があるかを体内発光・蛍光イメージングで検証する。加えて、CSF-1R阻害剤と組み合わせ、カテーテルを用いて局所投与による相乗効果を検討する。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れに伴い、本年度の使用額が減少した。次年度に不足分の実験を行うことで繰越額を使用する。
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