2022 Fiscal Year Research-status Report
Clinical study to develop the novel therapy for decompensated liver cirrhosis combinede with interventional radiology and liver regeneration
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20K08137
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20569305)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非代償性肝硬変 / IVR治療 / 再生療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胃静脈瘤の治療法として本邦で開発された「バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)」の多種多様な効果に着目し、interventional radiologyと再生療法の融合による、肝再生促進・肝線維化抑制さらには生命予後延長を目指した、当施設独自の低侵襲かつ効率的な「非代償性肝硬変に対する新規治療戦略」を確立することを目的とする。 当該年度の研究成果として、主に「計画2:BRTOが全身循環・臓器連関に及ぼす影響の解明」の詳細について以下に記す。 近年、肝臓と他臓器の密接な関連性(臓器連関)が注目され、特に門脈-大循環シャントを有する門脈圧亢進症例では、全身循環障害に伴う多臓器障害(腎機能障害・心肺機能障害)を合併し得る。BRTOによってシャント血流を遮断することで肝循環のみならず全身循環が是正されることが推測されるため、本研究ではBRTOによる全身循環および心肺機能や腎機能の変化について解析・検討した。 全身循環の指標とされる下大静脈径や脳性ナトリウム利尿ペプチド値はBRTOによって有意に低下し、全身循環亢進状態(hyperdynamic state)が是正されることが示唆された。心肺機能に関しては心拍出量および肺動脈圧の有意な低下が示された一方、腎機能に関しては仮説と異なり悪化傾向を示した(統計学的有意差なし)。今後さらなる症例数の増加により、統計学的に有意な結果が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
[研究1]BRTOによる肝機能改善メカニズムの解明、[研究2]BRTOが全身循環・臓器連関に及ぼす影響の解明に関しては、予定より若干遅れたものの、想定通りの成果が得られたと自己評価する。 一方、非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法(ABMi療法)の件数を年間3-5症例と見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症流行の為、他県からの患者紹介が少なく、ABMi療法施行症例数が想定を大きく下回った。従って、[研究3]BRTOがABMi療法の治療効果に及ぼす影響の解明については、十分な研究成果が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
[研究3]BRTOがABMi療法の治療効果に及ぼす影響の解明に関しては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行するため、県内外の医療機関との連携を密にしてABMi療法の対象症例を確保することが先決である。その後は計画通りに、BRTO後6ヶ月間の経過観察ののちにABMi療法を施行(BRTO先行ABMi療法)して、血清学的・組織学的に治療前後の経時的変化(術後1・3・6ヶ月)を解析する。また既存治療症例・ABMi療法単独症例をコントロール群として統計学的に比較・検討する。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症流行に伴って、国内および国際学会への参加を控えざるを得ず、研究打ち合わせもリモート会議に変更せざるを得なかったため、計上していた旅費を使用しなかった。令和5年度は、新型コロナウイルスが感染症法上5類に移行するため、計画通りの研究遂行が見込まれる。 [研究2]BRTOが全身循環・臓器連関に及ぼす影響の解明については、早急に論文化を図る(その他[英語論文校閲料・論文投稿料・印刷料]として使用予定)。 [研究3]BRTOがABMi療法の治療効果に及ぼす影響の解明についても、対象症例を確保したのち、さらなるデータ集積・統計解析に努める(物品費として使用予定)。
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