2021 Fiscal Year Research-status Report
画質改善のための複合型深層学習処理に基づく低線量乳腺トモシンセシスシステムの開発
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20K08143
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五味 勉 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10458747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 幸生 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 副院長 (10323346)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / 深層学習 / トモシンセシス / 被ばく線量低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の検討目的は、昨年度から継続して検討中である新しい乳腺デジタルトモシンセシスシステムの開発(被ばく線量低減と画質改善を実現するために、ラプラシアンピラミッド分解再構成・異方性拡散処理と高解像度化処理に基づく深層学習を組み合わせた複合型深層学習処理に着目し、最適化を図った新たな乳腺デジタルトモシンセシスシステム)・検証と基礎実験から画質に係る改善点を明確化し、改善に至らなかった項目を改良するための検証を行う。 画像再構成前の投影像に対して複合型深層学習処理を適用させた結果、概ね低線量下の条件においても標準線量に類似した画像の特性を示すことが確認された。今回のファントム実験(BR3D、CIRS社)において約50%低減[average glandular dose (AGD) 0.66 mGy]した投影像において、標準線量(AGD 1.36 mGy)と高い類似性[peak signal-to-noise ratio (PSNR)、structural similarity (SSIM)]と画質[空間分解能(full width at half-maximum (FWHM))、コントラスト(contrast-to-noise ratio)]が担保されていることが実証された。また、投影像から高精度の再構成画像を生成するために逐次再構成法(simultaneous algebraic reconstruction technique: SART)を改良したSART-TV-FISTA(SART total variation first-iterative shrinkage-thresholding algorithm)を適用することによってファントム像および一部の臨床画像において有用な結果(特にコントラストの改善)が得られた。 空間分解能については比較対象であるフィルタ補正逆投影法で再構成した画像が優れた特性を示したため、SART-TV-FISTAで更に空間分解能の改善を図るための検証を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討目標である、新しい乳腺デジタルトモシンセシスシステムの開発・検証の継続と低線量下の画像を改善(コントラスト)させることが可能であった。検証にはファントム実験と一部の臨床データを使用し、有用性を確認することができた。低線量下の画像を改善できたことは臨床診断での重要性が高いことから、本年度までの研究成果(中間成果)を論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
コントラストの改善は確認できたが、空間分解能については更に改善していく必要性があることから、ファントム実験と一部の臨床データを使用して画質の最終調整を実施していく予定である。次年度(最終年度)は更に多くの臨床データを検証し、新しい乳腺デジタルトモシンセシスシステムの有用性をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初学会出張費として計上していたが、学会側の指針(オンサイト参加のみが認められオンラインは不可)により未使用分が生じる結果となった。未使用分については、新しい乳腺デジタルトモシンセシスを検証するために観察者実験用の解析・評価装置に充てていく予定である。
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Research Products
(1 results)