2021 Fiscal Year Research-status Report
Novel molecular screening system for thyroid embryologic genes
Project/Area Number |
20K08154
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 英晃 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任講師 (00377540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 先天性甲状腺機能低下症 / 遺伝子解析 / 次世代シークエンサー / ジェノタイピング |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性甲状腺機能低下症(CH)は約3,000出生に1名の頻度で認められる、最も頻度の多い先天性内分泌疾患である。しかしその病因としての単一遺伝子変異の発見率は約20%と低く、次世代シークエンサー(NGS)を用いても新たな疾患原因遺伝子が発見されることが少なくなってきている。次世代シークエンサー (NGS; Next Generation Sequencer)を使用した全ゲノム解析、疾患原因遺伝子パネル解析が行われるようになり、高い精度で何百もの遺伝子を同時にスクリーニングできる時代になった。しかし、NGS解析には解析対象の検体が揃うのに時間がかかること、効率がよくても1回あたりのコストが高いことの問題があり、効率の良いスクリーニング方法の探索が行われている。
本研究では、新生児マススクリーニングにおいてCHと診断された児において、患者検体のリンパ球からg-DNAを採取し、甲状腺特異的なプライマーを使用した PCR法で増幅する。 一次スクリーニングではTSHR ; [ D403N, R450H, V473I, G498S ]、TG ; [C1264R ]、DUOX2 ; [ H678R ]、PAX8 ; [R31H, G23V]の部位を PCR法で増幅し、Sanger法によるシークエンスを行い疾患遺伝子の変異を同定する。
遺伝子スクリーニングで7/25例(28%)、NGSで20/25例(80%)に変異を同定した。CHの原因となるalleleを遺伝子スクリーニングで9allele、NGSで20allele同定し た(網羅率45%) 。TSHRを同定した例で永続性CH (2/2例) 、DUOX2を同定した例で一過性CH (2/3例)を認めた。 遺伝子スクリーニングによるCHに関係する遺伝子 の網羅率は1割程度だが、逆に疾患原因を構成するalleleの約45%を同定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子スクリーニングで7/25例(28%)、NGSで20/25例(80%)に変異を同定した。CHの原因となるalleleを遺伝子スクリーニングで9allele、NGSで20allele同定した(網羅率45%) 。DUOX2およびTGが多くの頻度を占めた。疾患原因alleleを同定した9例のうち、7例(78%)にDUOX2 p.H678RまたはTSHRを含んだ。TSHRを同定した例で永続性CH (2/2例) 、DUOX2を同定した例で一過性CH (2/3例)を認めた。 遺伝子スクリーニングによるCHに関係する遺伝子の網羅率は1割程度だが、逆に疾患原因を構成するalleleの約45%を同定できた。この成果は、NGS解析を行う前に約半数の疾患原因alleleを同定することが可能であり、残りの検体に関してNGS解析を行えば良いことになり、NGS解析の負担を大きく減らせることができる結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
サンガーシーケンス法やPCRベースのジェノタイピングは、迅速でシンプルなワークフローであり、ある程度頻度の高い変異部位であれば迅速に検査結果を出すことができる。サンガー法により頻度の高い変異を最初に同定して、その後にNGS解析を行うことにより、コスト削減と新たな遺伝子変異の可能性を探ることができる。
二次スクリーニングを進めていき、変異を同定されなかった症例でNGS解析を行う。NGSにおいて、甲状腺形成遺伝子のパネルを用いて、既知の変異および未知の 変異を同定する予定である。 判明した疾患原因遺伝子と臨床像との関連を検討し、従来法とNGS、特定領域のみに限局した遺伝子スクリーニングの精度や費用 対効果の比較を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大の影響で、学会が現地で開催されず、旅費などの費用で未使用分が生じた。実験に関しても成果が出た分の実験については省略することができており、次の実験に向けて費用を次年度使用に振り分けた。
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Research Products
(2 results)