2020 Fiscal Year Research-status Report
ACE2/Ang1-7系のDNAメチル化を介した褐色脂肪細胞分化機構の解明
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20K08165
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森 潤 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20750011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 英周 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20827539)
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80363985)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ACE2 / 褐色脂肪細胞 / 小児肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンジオテンシン2 (ACE2)の抗肥満効果を検証するために後述するモデルマウスの作成を行なった。 生後4週齢のC57BL/6をバックグラウンドにもつマウスを普通食と60%高脂肪食で8週間飼育した。飼育開始4週後から心不全モデルマウスで改善効果が報告されている薬理量 (2mg/kg/日)のACE2 またはプラセボとして生食の腹腔内投与を4週間行い、経過中の食餌摂取量、体重増加の推移を測定した。また、経口糖負荷試験、インスリン負荷試験でインスリン抵抗性の評価、酸素消費量測定で全身の代謝の評価を行なった。ACE2投与で、食餌摂取量の差を認めないながらも体重増加が抑制された。さらにACE2投与群で酸素消費量増加、耐糖能の改善を認めた。 in vivoでの評価を行なった後に各種臓器(褐色脂肪細胞、白色脂肪細胞、肝臓、腎臓、骨格筋)の重量を測定した。褐色脂肪細胞、白色脂肪細胞、肝臓ともに高脂肪食群では普通食群に比較して重量の増加を認めたが、ACE2投与により重量は減少した。腎臓、骨格筋の重量は統計学的に明かな差を認めなかった。 これらの結果は、ACE2は食餌誘導性小児肥満モデルマウスで褐色脂肪細胞を増殖することにより酸素消費量を増大させ抗肥満効果を発揮することを示唆する結果である。今後採取した各種臓器、特に褐色脂肪細胞、白色脂肪細胞の解析を行い、ACE2による抗肥満効果のメカニズムの解明を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した本研究のタイムコースで当該年度はモデルマウスの作成、in vivoでの代謝評価、臓器採取を目標に掲げており概ね計画どおりの実験を行いデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、採取した各種臓器、特に褐色脂肪細胞、白色脂肪細胞の分子生物学的解析を行い、ACE2による抗肥満効果のメカニズムの解明を行なっていく。
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Research Products
(2 results)