2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on pharyngeal bacterial flora in patients with PFAPA syndrome using next-generation sequencer and clone library analysis
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20K08173
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
楠原 浩一 産業医科大学, 医学部, 教授 (20243941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保科 隆之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30398078)
小川 将人 産業医科大学, 医学部, 助教 (80566414)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PFAPA症候群 / 咽頭 / 細菌叢 / 16S ribosomal RNA / クローンライブラリー / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、同一症例で発作間欠期と発熱発作時の両方の咽頭ぬぐい液が採取できた2例のPFAPA(periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and cervical adenitis)症候群患者について、クローンライブラリー法を用いた16S ribosomal RNA遺伝子の塩基配列の分析によって細菌叢解析を行った。発作間欠期の第1優占菌種と第2優占菌種は、1例で2つのグラム陽性菌A属[21%(20/95コロニー)と16%(15/95)]であり、もう1例でA属[22%(20/92)] とグラム陰性菌B属[16%(15/92)]であった。発熱発作時の第1優占菌種と第2優占菌種は、1例でグラム陰性菌C属[21%(19/92)]とA属[10%(9/92)]であり、もう1例でグラム陰性菌D属[35%(33/93)] とグラム陰性菌E属[13%(12/93)]であった。1例の発熱再燃時では、2つのA属[44%(42/95)と11%(10/95)]であった。次に、発熱発作時のみ咽頭ぬぐい液が得られた2例の解析を行った。第1優占菌種と第2優占菌種は、1例でC属[36%(31/85)]とA属[9%(8/85)]であったエピソードが1回およびD属[16%(15/95)]とグラム陽性菌F属[14%(13/95)]であったエピソードが1回であり、もう1例でD属[30%(28/93)]とA属 [16%(15/93)]であった。A属、C属、D属はいずれも口腔内常在菌であり、C属とD属は細菌学的に近い嫌気性グラム陰性菌である。これらの結果より、C属またはD属の占める割合が高いことがPFAPA症候群の発熱発作時の咽頭ぬぐい液に共通する細菌叢パターンである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染の拡大により小児の熱性疾患での外来受診が減少している影響でPFAPA症候群の患者数がまだ十分ではなく、多検体の同時検査が必要な次世代シークエンサーによる解析が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
<平成3年度> PFAPA症候群を含む周期性発熱症候群の患者を積極的に紹介していただくよう、これまで以上に強く近隣の医療機関に働きかけ、同症候群の発熱発作時および非発熱時の咽頭ぬぐい液の検体数を増やして、平成2年度に得られた発熱発作時の咽頭細菌叢の特徴を多数例で確認するとともに、平成2年度の検体も含めて次世代シークエンサーでの解析を行い、その結果と比較検討する。 <平成4年度> 平成3年度の解析を継続するとともに、その結果をもとに正常対照および熱性疾患との比較検討も踏まえてPFAPA症候群の非発熱時の咽頭細菌叢の特徴を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の拡大により小児の熱性疾患での外来受診が減少している影響でPFAPA症候群の患者数がまだ十分ではなく、今年度は多検体の同時検査が必要な次世代シークエンサーによる解析が実施できなかった。そのため、主に次世代シークエンサーの外部委託費に充てていた「その他」の経費の大部分を次年度に使用することとした。次年度は、今年度に予定していた次世代シークエンサーによる解析も併せて行う予定である。
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