2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on pharyngeal bacterial flora in patients with PFAPA syndrome using next-generation sequencer and clone library analysis
Project/Area Number |
20K08173
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
楠原 浩一 産業医科大学, 医学部, 教授 (20243941)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保科 隆之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30398078)
小川 将人 産業医科大学, 医学部, 助教 (80566414)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 細菌叢 / PFAPA症候群 / 咽頭 / 次世代シーケンサー / クローンライブラリー / 自己炎症性疾患 / 16S ribosomal RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
PFAPA症候群患者から採取した咽頭ぬぐい液を、発熱発作時検体12検体(シメチジン内服なし[①群]6検体、シメチジン内服あり[②群]6検体)、発作間欠期[③群]6検体に分けて解析した。まず、クローンライブラリー法を用いた16S ribosomal RNA遺伝子の塩基配列の分析による細菌叢解析を行った。第1優占菌種は、①群では4検体でグラム陰性菌C属(36.5%、31.5%、13.0%、10.9%)、1検体でグラム陽性菌A属(44.2%)、1検体でグラム陰性菌D属(15.8%)、②群では4検体でグラム陽性菌A属(37.2%、30.1%、28.9%、12.9%)、1検体でグラム陰性菌C属(28.0%)、1検体でグラム陰性菌D属(35.5%)、③群では、4検体でグラム陽性菌A属(49.5%、39.4%、21.7%、21.0%)、1検体でグラム陰性菌C属(28.4%)、1検体でグラム陰性菌D属(11.7%)であった。発熱発作時は発作間欠期から咽頭細菌叢が変化するが、シメチジン内服によりその変化が起こりにくくなっている可能性が示唆された。次に、次世代シーケンサーを用いた細菌叢解析を行った。細菌叢の多様度を示すSimpson Indexは、発熱発作時(①群+②群)は0.091、発作間欠期(③群)は0.070であり、前者が高い傾向がみられたが、有意差は認めなかった。発熱発作時で比較すると、シメチジン内服なし(①群)は0.082、シメチジン内服あり(②群)は0.100で、後者が高い傾向がみられたが、有意差は認めなかった。LEfSe法による解析では、発作間欠期と比較して発熱発作時に特徴的な細菌が2種、発熱発作時にシメチジン内服なし例と比較して内服あり例で特徴的な細菌が5種検出され、特定の菌が変化していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PFAPA症候群患者について、クローンライブラリー法と次世代シーケンサー用いた16S ribosomal RNA遺伝子の塩基配列の咽頭細菌叢解析を行い、発熱発作時と発作間欠期の比較および発熱発作時におけるシメチジン内服の有無による比較を行うことができた。しかし、まだ検体数が十分とはいえず、また正常対照や熱性疾患対照からの検体が解析可能な数に達していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染の拡大により小児の熱性疾患での外来受診の減少が続いているが、PFAPA症候群を含む周期性発熱症候群の患者を積極的に紹介していただくよう引き続き近隣の医療機関に働きかけつつ正常対照や熱性疾患対照からの検体収集にも努めるとともに、令和3年度の解析を継続し、正常対照および熱性疾患との比較検討も踏まえてPFAPA症候群の発熱発作時、発作間欠期の咽頭細菌叢の特徴、シメチジン内服の咽頭細菌叢への影響を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
2022年2月に出席を予定していた学会(東京)がオンラインのみでの開催となり、旅費が発生しなかったため。当該分は、令和4年度の次世代シーケンサー解析費用に充てる予定。
|