2023 Fiscal Year Research-status Report
Enterovirus pathogenicity changes and gene mutations that cause a pandemic of hand-foot-and-mouth disease
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20K08175
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤本 嗣人 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (60446771)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コクサッキーウイルス / 手足口病 / ヘルパンギーナ / 系統樹解析 / 組換え |
Outline of Annual Research Achievements |
コクサッキーウイルスA6型(CV-A6)は2011年まではヘルパンギーナであったが、2011年から非典型的な手足口病(HFMD)に変化している。この変化は世界的であり組換えサブクレードD3/RF-Aとの関連が報告されている(Tomba et al.,Viruses,2022)。病態変化に関連する可能性がある遺伝子変異は、Gauntらによる研究(J. Gen. Virol.,2015)によれば、非構造タンパク質コード領域の組換え変化によることが推定されてる。これまでの研究から、構造タンパク質領域、特に血清型決定に関与するVP1領域に関しては比較的保存されていることが分かっている。
本研究では、CV-A6の病態変化に関与するとされる3Dポリメラーゼ領域の配列について、日本の検出株を調査している。その結果、非翻訳領域の3Dポリメラーゼ領域の塩基配列に基づいて、A型、B型、C型、およびE型の4種類に分類される株が検出され、分離株を確保した。病態変化に関与するとされるA型は、2003年に単発的に検出され、その後、2009年に検出されたCV-A6のほとんどを占めたのち、現在の主流となっている。日本の状況においても非構造タンパク領域の組換え変異による病態変化の仮説が支持されることを示唆している。米国のエンテロウイルスサーベイランスでもCV-A6は主要な病原体であり、世界的の検出株と日本の検出株の比較も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、新型コロナウイルスの際に迅速な検査法が主要な必要項目であったことを考慮して、エンテロウイルスを含むの検査法に関する研究に注力した。そのため、疫学的研究としての本研究課題の進捗がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
コクサッキーウイルスA6型の全塩基配列を決定して、3D領域および2C領域を含む非構造タンパク質コード領域について、構造タンパク質領域とともに解析する。2024年度は、手足口病の流行が報告されはじめているので、2024年の検出株も含めて解析することを計画している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響が残り、本研究課題を実施する十分なリソースが確保できなかったため。
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Research Products
(10 results)