2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K08179
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大河原 剛 三重大学, 医学系研究科, 講師 (20469034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳幼児突然死症候群 / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
SIDSは、睡眠中に突然無呼吸に陥った児が覚醒することなく亡くなる疾患で、現在のところその発症機序は不明である。SIDSで亡くなった児に脳幹のセロトニン神経系に異常が見られること、亡くなった児の85%で亡くなる前に軽微な感染症状が見られることが報告されている。これまでの研究で、妊娠中の特定の時期に疑似ウイルス感染した母ラットから生まれた仔のセロトニン神経系に異常が見られることから、申請者はSIDSモデルラットを作成した。申請者が作成したSIDSモデルラットは、生後11日目に細菌感染モデルとして研究に用いられるLPSの投与24時間後の死亡率が、有意に増加するという表現型を示す。申請者は、呼吸中枢のある脳幹で遺伝子発現異常が起こった結果、SIDSが起こる可能性を考え、DNAマイクロアレイを用いて、SIDSモデルラットの橋・延髄において発現異常を示した遺伝子が見られないか解析を行った。その結果、SIDSモデルラットの橋・延髄で多くの遺伝子発現の異常が見られることを明らかにした。これら発現異常が見られた遺伝子の中で、申請者はケモカインに着目した。リアルタイムPCRでケモカインの発現量に変化がないか調べたところ、7個のケモカインの発現量がSIDSモデルラットの橋・延髄で増加していた。SIDSモデルラットで見られた表現型が、これらケモカインの発現量の増加に起因するのか調べるために、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用い、SIDSモデルラットの橋・延髄で外来遺伝子の過剰発現系の構築を試みた。現在、EGFPを発現するAAVを新生仔ラットの側頭静脈にインジェクションすることにより、生後11日目の仔ラットの橋・延髄でEGFPの発現が見られることを確認済である。
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Research Products
(5 results)