2020 Fiscal Year Research-status Report
てんかんにおける神経調節物質・アデノシンの生理的・病理的意義の解明
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20K08184
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡成 和夫 大分大学, 医学部, 助教 (90527657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 礼子 大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / てんかん / 神経伝達物質 / アデノシン / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼブラフィッシュにペンチレンテトラゾール(PTZ)を投与し、けいれん誘発モデルを作製した。既報から全身けいれんに至る投与量を設定し、全例で全身けいれんに至ることを確認した。①PTZで全身けいれんに至る前の群、②PTZで全身けいれんに至った後の群、③PTZ非投与群で各個体の行動解析と脳内の神経伝達物質・調節物質を液体クロマトグラフィーにより測定を行った。行動解析では③PTZ非投与群と比較し、②PTZで全身けいれんに至った群では有意な行動変化を確認できた。3群の各個体から脳を取り出し、アデノシンをはじめ、セロトニン、ドーパミン、GABAなど11種の神経伝達物質・調節物質の測定を行った。一部の神経伝達・調節物質で有意な変化を確認した。今後は既存の抗てんかん薬でそれぞれ作用機序の異なる薬剤(ジアゼパム、カルバマゼピン、レベチラセタム、ペランパネルなど)を投与した状態のゼブラフィッシュにPTZを投与し、その行動解析と脳内の神経伝達・調節物質の測定を行う予定である。また、抗てんかん薬の作用機序の違いで脳内の神経伝達物質・調節物質のパターンに変化をきたすかどうかについても検討する計画である。 本研究で得られた結果から、病態の異なるてんかんの脳内神経物質セロトニンやドーパミンの動態解明により、事前に抗てんかん薬の効果を予測することが可能になったり、適応疾患の異なる既存薬から抗てんかん薬へのリポジショニングへの応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イメージングによる脳内の神経伝達物質・調節物質の動態解析はできていないが、11種の神経伝達物質・調節物質の定量は計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は既存の抗てんかん薬でそれぞれ作用機序の異なる薬剤(ジアゼパム、カルバマゼピン、レベチラセタム、ペランパネルなど)を投与した状態のゼブラフィッシュに、PTZを投与し、その行動解析と脳内の神経伝達・調節物質の測定を行う予定である。抗てんかん薬の作用機序の違いで脳内の神経伝達物質・調節物質のパターンに変化をきたすかどうかについて解析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で旅費の支出がなかった。初年度に購入予定の物品でまだ使用予定がなかったため購入ができていない物品がいくつか存在する。実験の進捗を確認しながら、購入し予算執行する予定である。
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