2022 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of metabolic reprogramming behind the neurodevelopmental disorder and the therapeutic approach by the amelioration of metabolic signaling
Project/Area Number |
20K08186
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
谷田 任司 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (30589453)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エネルギー代謝 / エストロゲン関連受容体ERR / ミトコンドリア / グルコース枯渇 / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
以下に概要を説明する。 ①代表者らが過去にラット視床下部より見出した乳酸応答型転写共役因子LRPGC1(一部論文化, Tanida et al., FASEB J. 2020)の神経系における役割を検索するため,海馬初代培養ニューロンに過剰発現させたものの,一時得られていた突起伸長などの促進効果については残念ながら再現性を得ることが出来なかったため,LRPGC1による生育促進効果は限定的であると考えられた。LRPGC1は突起伸長等の生育促進とは異なる作用を持つことが推測されるので,引き続き検討を継続する。 ②ラット海馬由来初代培養系をグルコース枯渇条件下で培養した場合,ニューロンの生存は培養開始後数日以内までしか維持できなかったが,乳酸あるいはケトン体を添加するとニューロンの個体にもよるものの培養開始から20日以上,生存を維持できることが判明した。これらニューロンの生存維持は解糖系非依存的であることが現在のところ示唆されている。 ③海馬CA1領域などに豊富に存在するオーファン核内受容体,エストロゲン関連受容体ERRαについて,特定のエネルギー条件下で核外移行を引き起こすことができたことから,分子メカニズムを探索中である。現在,核外輸送シグナル(NES)のコンセンサス配列とは異なるアミノ酸クラスターを見出していることから,この部位が新たな核外移行シグナルとして働くのか否かを検討中である。また,株化培養細胞においてERRαの過剰発現による転写活性化がミトコンドリア活性(膜電位)を上昇させることを見出していることから,ERRαの核外移行はミトコンドリア活性を低下させることが推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の異動により,昨年度は研究環境の整備を調えるのに時間を要したものの,現在では環境が整い実験が進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
神経回路形成における乳酸やケトン体,解糖系・ミトコンドリアの役割を明らかにするために,様々なエネルギー条件下におけるニューロン内代謝機構の解析を行う。また,エネルギー代謝を担う核内受容体(ERRs,PPARsなど)やその転写共役因子(PGC1α, LRPGC1,SAFB1など)の神経回路形成における役割や,これら分子のエネルギー状態の変動による発現や活性変化についても解析する。
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Causes of Carryover |
昨年度異動した際,研究環境等の整備に時間が掛かり当初の予定程には実験を行うことが出来ず,本年度の交付予定額に加算されたため,また,国際学会がオンライン開催となり渡航費・宿泊費等が不要であったため,次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額は,実験用消耗品,学会参加費,旅費等のために使用する予定である。
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